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久「大会が近くなったし、そろそろ県予選出場校の分析資料出しときたいんだけど……生徒会の仕事が忙しくて、ちょっと手が回らないのよねえ」(コマッター 京太郎「へー……えっと、スジの基本になるのが147、258、369で――」(龍門渕印の麻雀指南書パラパラ 久「…………咲や優希には頼めないし、和に任せたら……『そんなオカルトありえません!(裏声)』とか言って、そういう要素抜きのデータ出してくるでしょうし、まこは実家の手伝い……」 京太郎「声真似上手ですね、部長」 久「………………というわけでこの任務、須賀君に丸投げしたいと思いますっ!」 京太郎「…………人をこき使おうっていう……痩せた考え」(ざわ……ざわ…… 久「顎削るわよ?」(ジト目 京太郎「――――ク、ククッ、ヤだな部長の頼みを断るわけないじゃないですかっ……!やりますっ、やらせてください……!」 京太郎、身を翻す……! 服従っ……我が身可愛さの従属……! 久「分かればいいのよ、分かれば♪」 久「話が進むにつれて無駄に広がりそうな人脈を駆使して、最高の資料を作ってちょうだいね、須賀君!」 京太郎「ういーっす」 【ミッション内容】県予選出場校の要注意選手を調べろ! 京太郎「さて、まずはどこの学校の資料を作るか……」 京太郎「――――というわけで、各校の要注意選手のデータを作らなきゃいけないんですよー」 智紀「そう……」(パソコンカタカタ 一「それで真っ先に龍門渕へ来たのは、僕たちが一番の難敵って考えてるから……かな?」 京太郎「…………」 一の問いに京太郎、静かに立ち上がる……。 一「返答次第じゃ……透華が悲しむんだけどな」 やはり最後は戦う運命にあるのか……。 寂しげに笑う一に、京太郎が選んだ行動……それはっ………………土下座っ! 地を蹴って跳躍、さらに体を激しく回転っ……回転っ……さらに回転っ! 京太郎「……お願いしますっ!」 一「く、空中で三度も身を捻って、こっちの足下へ滑り込むように土下座してきたっ!?」 智紀「う、美しい……」 純「いや、少しは躊躇えって……つーか、さっきのホントに土下座なのか?」 空中で身を捻り終え、その回転を着地で殺すことなく推進力に変換、そして土下座の態勢のまま一の足下までスライディングしての懇願……! 響き渡るブレーキ音……焦げた床の臭いが漂う。 京太郎「透華さんを悲しませるようなことはしません……だから、どーかっ!」 圧倒されるっ……これがスライディング土下座の完成形……! 衣「待たせたな、京たろー!今日も手慰みに遊んで…………えう?」 透華「まったく、どうしてこういう日に限って面倒な用事が……コホンッ!遅くなりましたわ、さあ京太郎っ、今日もビシバシ鍛えて差し上げますから心して…………ふぇ?」 一「あちゃー」 京太郎「あ、衣さんに透華さん。すみません、今取り込んでたとこなんですよ」 透華「え?え?どうして京太郎が一の足下に這いつくばってますの?」(アホ毛クエスチョン 智紀「…………透華のことを悲しませるかどうかという一の質問に、そんなことはしないと言って京太郎が土下座をしたところ」 透華「え、あの……私を悲しませないと言って土下座、って……それって――――えぇっ!?」(ボンッ 衣「おぉ、トーカの顔が曼珠沙華の色になったぞ!」 純「いや、いろいろ説明をはしょり過ぎだろ」 智紀の杜撰な説明による早とちりに気付いた後、透華が京太郎から点数を毟り取ることになるのだが…………果たして悪いのは誰だったのか。 ――――一夜明けて 【清澄高校麻雀部】 京太郎「で……でき、ましたよ部長……」 久「えっ!?い、一日でやっちゃったの!?」 京太郎「透華さんが……寝させてくれなかったから……」(フフッ…… 久「ぇ……えぇーっと、かなり聞き捨てならないこと言った気がするけど、たぶん含みはないんでしょうね」 久(咲に聞かせたら、『京ちゃんの不潔ー!』とか泣きながら出てっちゃうわね、うん) 京太郎「え、と……?」 久「あー、いいの気にしないで、こっちの話。それじゃ、作ってくれた資料、預かるわ」 京太郎「ククッ……どうぞ」(ざわ……! 久「なんで資料渡すのにシリアスモードになってるのよ……」 京太郎「じゃあ俺……部室のベッド、使わせてもらいます……ね」(朽木の如く 久「はいはーい……おお、さすが龍門渕のお嬢様が関わっただけあって、よく調べられてるわー…………フムフム、ホムホム」 久「うん、龍門渕のところでお茶を濁してるのがあれだけど……まあ、それぐらい全然許せるデータが集まったわ!」 久「フフ……勝てる、県予選これなら勝てるわ!――――て、あれ?須賀君の胸元から何か覗いてる……」 久「これって………………」 【個人的要注意選手データ】(ズッシリ 久「須賀君ってば……やるじゃない。まさか、学校としてだけじゃなくて個人のデータまで調べてきてるなんて!」(すばらっ 久「これはもう、ご褒美をあげないと申し訳ないレベルね……どらどら」(涙フキフキ 久「『―――が、風越の深堀純代選手にも焦点を当てるべきかもだが、いかんせん彼女は人を選ぶと思われるので、今回は検証を見送る。よって、何よりも注目すべきは鶴賀高校である。県予選出場記録もない無名校だが、その戦力はおそらくあの風越の福路美穂子選手に匹敵し得る逸材が揃っていると思われる』……?」 久「な、なんですって……うちと同じ無名校に、そんなダークホースが……!?」 久「つ、続きは……!『特に気になるのが、部長と見せかけて実は部長ではない加治木ゆみ、妹尾佳織の両名。麻雀歴こそ浅いが一方は冷静な観察眼、もう一方は信じられない幸運での和了りを繰り返している。やはりかねてより提唱していたオモチの大きさが雀力向上に買っているという説が現実味を帯びてきたのではないか』…………ん?」(ナンカオカシイヨ? 久「…………『そして最後に彼女を忘れてはならない。驚くべきことに、鶴賀には選手として登録されていながら、その存在を知覚できない恐るべしオッパイの持ち主がいるのだ。彼女の名は東横桃子……和や福路美穂子選手のオモチと並んだ時、県予選に必ずや嵐が巻き起こるであろうと俺は直感――』」(グシャリッ 久「………………大真面目になんてもの作ってんのよ、キ・ミ・はァァァァァァァァァッ!?」(丸めた紙をペーン! 京太郎「リナリー!?」 久「まったく、感心して損したわ!!」 だが後に、京太郎のこのオモチ分析がそう当たらずとも遠からずであることが実証され、一度本気で彼の思うままに全国の選手を調べさせてみようか――と、久が頭を抱えたのは別の話。 終われ!
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特別編、永水ver とある執事との出会い 京太郎「ったく親父め。中2の息子にエロ本買いに行かせるとか何考えてんだありがとうございます」 京太郎「しかも『お前も好みの買ってこい、そして後で貸せ』とか全く最高だよ」 京太郎「さてと、ばれる前にさっさと決めないとな……」 京太郎「親父に頼まれたのはいいとして……これは、駄目か」 京太郎「これも……なんか違うな」 京太郎「……よし、これに」 ハギヨシ「おや?」 京太郎「あ」 同じ本を取り合っている状態 ハギヨシ「これはまた……」 京太郎「あはは……」 京太郎(やべっ、ばれるか?) ハギヨシ「安心してください。無粋な真似はしませんよ」 京太郎「あ、ありがとうございます」 ハギヨシ「それにしても、これを選ぶとはあなたも中々お目が高い」 京太郎「いやいや、俺なんかまだまだですよ」 ハギヨシ「どうです?これも何かの縁。この後お互いの戦利品を見せるというのは?」 京太郎「いいんですか?」 ハギヨシ「ええ。あ、こちらはお譲りしましょう。さて、ではまた別のを…」 京太郎「でしたら、これなんてどうですか?」 ハギヨシ「ほほう、これはこれは……どうやらいい出会いに恵まれたようです」 京太郎「それはこっちもですよ。あ、俺は須賀京太郎っていいます」 ハギヨシ「私のことはハギヨシとでも。さて、2冊目にこちらはいかがですか?」 京太郎「おぉ……でもこっちも……」 ハギヨシ「ふむ、中々……では…」 後に親友となり、長野と鹿児島という遠い距離であってもその友情は決して途切れなかった2人の出会いである カンッ!!
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特別編 本編とは完全に別の世界での下ネタ、というかエロ日記 誰にとは言いませんけど、ヤられたらヤリ返すのが礼儀です ※京太郎以外みんな下ネタエロボケ連発します。パロとかパクなんとか、その辺りです ※キャラ崩壊ってレベルじゃねーぞ、な内容なのでそういうのがNGな人は数レスほどスルーでお願いします ※この特別編に限っては、苦情、文句等は『一切受け付けません』。ヨソはヨソ、ウチはウチ理論コレ最強ってどっかで言ってましたし ※ここまですべて許容できる人のみ、続きをどうぞ 6月9日 部室に行くと部長が寝ていた そろそろ部活が始まるので起こすとまだ寝ぼけているのかすこしぼんやりとした感じだった ちょっとグッときた。押し倒したかったがまだ我慢だ いきなり押し倒すのも悪くないがシチュエーションが大事だ 普段キリッとしているが、だからこそ抜けている時がねらい目だ 寝起きで下着の青色が見えたりしたが、まだ我慢しておこう。誰も居ない時、不意打ちでいこう 07月21日 部活中、染谷先輩がメイド服だった どうやら制服を汚してしまったらしく、とりあえず持っていたメイド服に着替えたらしい オーソドックスなロングスカートのメイド服だったが、超ミニスカートのきわどい奴もあるらしい 是非今度着てもらおう 無論主従プレイで プレイ中は半脱ぎで眼鏡はピロートークで取ってもらおう 08月1日 今日も部活、だが今日は一段と暑かった 暑さで和は服が透けていた。綺麗なピンク色だった。やっぱ暑いと付けないのか 和も流石に暑かったのか少しダレていた 具体的に言えばベッドに横になってスカートが捲れていた。いい形だったな でも夏休みとはいえ、上も下も付けないのはどうかと思う 今度念入りに調教してやろう。最初は優しく、徐々にならしていこう 8月2日 部活の帰り道、優希が転んでタコスを思いっきり落とした。白だった 流石の優希もこれには涙目だった 泣いてる優希に興奮した こいつ、ベッドの上でもこんな風に泣いてしおらしくなったりなるのか? それ以上考えるとそのまま襲いたくなってしますのでとりあえず俺も買っていたタコスをあげた タコスを頬張る優希が別のモノを頬張っているようで良かった 9月2日 2学期が始まったばかり、今日は部活は休みだ 俺と咲以外、用事があるらしい どうしようかと考えていると、木陰で本を読んでいる咲を見つけた 少し咲と話そうと思い、近くまで行くと呼んでいる本のタイトルが見えた。官能小説だった 咲に内容を聞くと、幼馴染の2人の話らしい 引っ込み思案な女の子と明るい男の子、2人はそれなりに仲良い友達だったが、ある日不意に女の子が見せた色気に男の子の理性が…… 京太郎「……なんだこれ」 久「え?日記じゃない。須賀くんの」 京太郎「俺は日記といえここまで欲望に素直に解放してませんよ。つーかこんな色情狂じゃねーよ」 まこ「いやな?昨日お前が帰った後、机にお前の日記が置きっぱなしだったんじゃよ」 優希「で、読むだろ?」 和「こう、この時はひょっとして、もっとこんなことを考えていたんじゃないのか、という話になりまして」 咲「みんなで京ちゃんの欲望を正しく書いた日記を書いてあげたんだよ?」 京太郎「それ既に俺の日記じゃない別の何かだよ!!」 京太郎「わざわざそれっぽいノート新しく買って書いて!!」 京太郎「ご丁寧に微妙に日記の内容とリンクしてるし!」 久「え?こう、寝起きってグッとくるでしょ?」 京太郎「あの時竹井先輩狸寝入りだったじゃないですか!」 京太郎「下着なんて見えてないし!」 久「えー、須賀くんの隠されたもの見ちゃったから、こう、私の隠されたものを……」ススス 京太郎「スカート徐々に持ち上げない!」 京太郎「染谷先輩はこの日メイド服だっただけじゃないですか!」 まこ「ホントに持って来とったぞ?超ミニスカートのきわどい奴」 まこ「そういえばあの時の奴は無いが、ここに堕天使エロメイドっちゅうのが…」ゴソゴソ 京太郎「それはちょっと止めといてください。他のとこで危ない気がします」 京太郎「和のはもうあの日の出来事の原型ないよね。暑かっただけしか残ってないじゃん」 和「あの日付けてなくて透けさせようとしたのは本当ですよ?」 京太郎「うん、全力で阻止したよね」 和「むぅ……今だって穿かずに…」ススス 京太郎「お前までスカート持ち上げるな!」 和「そうですか、じゃあ」ゴソゴソ 京太郎「脱ぐな!!」 京太郎「優希……普通にタコスやっただけなのになんでこうなるんだよ……」 優希「そうだな……ここにタコスがある」 優希「これを……ほうひははほうひへはいは?(こうしたらそうみえないか?)」 京太郎「タコス咥えて喋らない!」 咲「…………」ワクワクドキドキ 京太郎「……じゃ、解散」 咲「え!?ちょっと京ちゃん!!なんで私には何も無いの!?」 京太郎「お前のこれなんだよ。日記ですらない、小説じゃねーか。つーか途中で終わってるじゃねーか」 咲「書ききれてないだろ!的なツッコミを期待して用意したのに」ドサッ 京太郎「原稿用紙!?それも何枚あんの!?」 咲「つい、書いちゃった☆」テヘ 和「ほうほう……いいですね」ペラッ 京太郎「なんか読んでるし!」 和「なかなか……あ、すいません。濡れてきて原稿を汚しそうなんで、手洗って来ていいですか?」 京太郎「消去!」ビリッ 咲「あぁっ!?なんてことするの!!それコピーとか取ってないのに!!」 和「いいところでしたのに……ちょうど48手を3分の2ほど試した辺りが」 京太郎「どんな内容!?」 咲「和ちゃん読むの早いね。そこから野外で女の子に首輪つける辺りがちょっと自信あって……」 京太郎「もう日記関係ねーじゃねーか!!」 結局エロボケに翻弄され続ける京太郎 そうして日記を読まれたことが有耶無耶にされたことに、京太郎はまだ気付かない カンッ!!
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特別編 京太郎とハギヨシ 時期はインハイ以降です。一部インハイ中のシーンがあります。また、日記形式ではありません ※完璧執事なハギヨシさんが好きな方は読まないことをおすすめします ▲月●日 昼 ハギヨシ「京太郎くん、庭の掃除ですが…」 京太郎「終わらせておきました。倉庫の方も少し散らかっていたんで片づけておきました」 ハギヨシ「ありがとうございます。では私はお嬢様と少々外出するのでその間に屋敷の掃除と食材の買い出し、それから花壇の水やり」 ハギヨシ「それら全て終わってから、各道具の整備までお願いしますね。ああ、整備が終わったら皆さんにお茶とお菓子をお出しして、一緒に休憩してください」 京太郎「はい、分かりました」 純「……しっかしあいつすげーなー」 一「ん?あー、京太郎か。今休んでる人達の分のバイトだったよね」 純「あの仕事量、普段ハギヨシさんがやってる分全部だろ。他のメイドや執事なら1日かけても終わらねーのに」 一「半日、下手したら数時間でやっちゃうからねぇ。今いる他のメイドや執事からの評判もいいし」 純「ハギヨシさんなら2時間……いや、あのレベルは無理か。でもハギヨシさんレベルになる日も遠くねーよな」 一「ハギヨシさんが色々教えてて、今回のことでハギヨシさん自らの提案でバイトとして来てるらしいよ。確か、友人がバイトとして来てくれる、って言ったってさ」 純「へー。あのハギヨシさんの友人ね。どうやって仲良くなったんだか」 一「さぁ?ネット麻雀とか、タコスづくりとかがきっかけって言ってたし、案外共通点があるんじゃない?」 インハイ団体戦、数日前 京太郎「くっそ、タコスを早朝に売ってる店なんてさすがに東京にもねーよ」 京太郎「いっそ手作りするかな……でもタコスの作り方なんて知らないし、そもそも料理自体ほとんどしないしな……」 ハギヨシ「おや?京太郎くん、どうしたんですか?」 京太郎「ハギヨシさん、実は…」 説明中 ハギヨシ「…なるほど、でしたら私が教えましょう」 京太郎「いいんですか?」 ハギヨシ「ええ。友人が困っているんですから、助けるのは当然のことです」 京太郎「あ、ありがとうございます!」 ハギヨシ「では、簡単な基本から教えて、そこから簡単なレシピを教えましょう。まず調理室を借りることからですね」 京太郎「じゃあ俺ちょっと行ってきます」 数時間後 京太郎「今日はありがとうございます。おかげで助かりました」 ハギヨシ「いえいえ。それにしても京太郎くんはかなり筋がいい。どうです?執事などを目指しては」 京太郎「あはは。ハギヨシさんにそう言ってもらえるなんて光栄ですね。そうですね、アリかもしれませんね」 京太郎「それにしてもこのレシピ、分かりやすくて作りやすい、いいレシピですね。そうだ、少し聞きたいことがあるんです」 ハギヨシ「なんでしょう?大体のことは大丈夫ですよ?」 京太郎「ちょっと待ってください。確か、この漫画のレシピなんですけど……鞄の奥にあったかな?確か……うわっ!?」ドサドサッ ハギヨシ「大丈夫ですか?手伝いましょう」 京太郎「すいません、鞄ひっくり返しちゃって。あーあ、中身が全部出ちまったかな」 ハギヨシ「ああ、この本で……」 京太郎「え?ハギヨシさ……」 ハギヨシ「こ、これは……」金髪ロリ物エロ本、貧乳露出物エロ本 京太郎「!?」 京太郎(し、しまった!!あれは副会長に餞別にと押し付けられたエロ本!!しかもよりによって衣さんと一さんそっくりの女優の表紙!!) 京太郎(くっ……趣味じゃないけどエロ本自体の質や満足度が高いから捨てずに置いたのが墓穴だったか!!) ハギヨシ「…………京太郎くん」 京太郎「は、はい!!そ、それは……」 ハギヨシ「なかなかいい本をお持ちですね」 京太郎「…………はい?」 ハギヨシ「いや、さすがにここまで衣様や一様にそっくりとは……私でもやや似ている程度を見つけるのが限界だったのに……」ペラペラ ハギヨシ「しかも単なるロリ、露出だけでなく、他のページにはその趣味が無い人間でも手が進むほどのもの……」ペラペラ ハギヨシ「そして細かく多種多様なニーズに対応し、かつ1枚1枚のクオリティも高く、本そのもののボリュームもある……素晴らしい」パタン ハギヨシ「これほどの物を、一体どうやって……」 京太郎「それ自体はとある人からもらったものです……ロリや露出は趣味じゃないですけど、素晴らしいと感じました」 京太郎「俺本来の趣味は……こっちです」巨乳物エロ本、巫女物エロ本、ナース物エロ本 ハギヨシ「ほう……これもなかなかのもので……私はこちらを」メイド物エロ本、姉妹丼物エロ本、ライトSM物エロ本 ハギヨシ「少々マニアックなものもいくつかありますが、今はこれくらいですね」 京太郎「ほほう、これはこれは……しかし意外ですね。ハギヨシさんがここまでとは」 ハギヨシ「ふふふ、私も男でしてね。あまりこういうことを話せる機会がないもので、ついはしゃいでしまいました」 京太郎「いえいえ、男なら当然のことですよ……おお、この子はまた智紀さんにそっくりで」 ハギヨシ「見つけるのに苦労しましたよ。どうです?そちらはお貸しするので、こちらを借りても」 京太郎「どうぞどうぞ。そうだ、実はインハイでこの本そっくりの子を見つけまして」 ハギヨシ「興味深いですね。詳しくお願いします」 京太郎「ええ、確か…」 ▲月●日 夕方 ハギヨシ「ただいま戻りました。これは旦那様から預かった本日の給料です」 京太郎「ハギヨシさん、ありがとうございます」 ハギヨシ「そしてこれは先日借りたものです……しかしまた白糸台の渋谷さんにそっくりでしたね」和服巨乳物エロ本 京太郎「ええ。和服がまた似合っていたでしょう?」 ハギヨシ「素晴らしいです。そちらはどうでした?」 京太郎「病弱ながらも精一杯のことをする……病弱娘物、想像以上に素晴らしいですね」 京太郎「新しいことに気付けましたよ。また千里山の怜さんにそっくりなのがいいです」病弱娘物エロ本 ハギヨシ「いえいえ。多少マニアックですが」 京太郎・ハギヨシ『そこがいい』 ハギヨシ「……ふっ、私はいい友人に巡り合えました」 京太郎「それは俺もですよ」 ハギヨシ「これからも、よろしくお願いします」ガシッ 京太郎「こちらこそ、よろしくお願いします」ガシッ 透華「ハギヨシに京太郎さん?あら、こちらに居たんですね」 衣「んー?2人とも握手か?どうしたんだ?」 智紀「……友情の握手?」 透華「みたいですね。ハギヨシもあんな楽しそうに笑って……嬉しい限りです」 衣「うむ。家族もいいが友達もいいからな」 智紀「ん……私達も、どう?」 透華「いいですわね」 衣「わーい」 京太郎とハギヨシ、様々なことが違う2人ではあるが、2人の男は硬い友情で結ばれた者同士である エロ本の貸し借り、性癖の暴露などのハイリスクなこと、硬い友情で結ばれた者同士にしかできないのだから カンッ!!
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特別編 執事と ※終わってしまった本編との関係も一切ない特別編です ※大体色んなとこを参考にしたりイメージだったりなので、理解できるかどうかは個人差があります ※深夜テンション。最後までこんなノリ 京太郎「裸エプロンに裸Yシャツ、尊いと思いませんか」 ハギヨシ「ほほぅ」 京太郎「やはりですね、ごはんにする?お風呂にする?それともわ・た・し?って言われたいでしょう!」 ハギヨシ「即お風呂でいただきますしますね」 京太郎「裸Yシャツ、朝起きたら自分のシャツを着ている、いいですよね」 ハギヨシ「こう、見えそうで見えないくらいがベストですよね」 京太郎「ちょっと恥ずかしそうにするとか、そういう恥じらいも合わさってまたよし!!」 京太郎「……どちらでも思うんですが、やっぱり巨乳がいいですね」 ハギヨシ「ほう」 京太郎「こう、エプロンの上からでも隠せないその大きさ」 京太郎「Yシャツが悲鳴を上げるその様、じっくり拝みたいですね」 ハギヨシ「それもまた正しいです」 ハギヨシ「ですが、貧乳も、貧乳の可能性もいいものですよ」 京太郎「貧乳の……可能性?」 ハギヨシ「決して忘れてはならない、心に刻むべき言葉があります」 『貧乳がいいんじゃない。貧乳なのを気にしているのがいいんだ』 京太郎「……素晴らしい、心に響きますね」 ハギヨシ「貧乳はステータス、なんてただの開き直りです。それはただの絶壁です」 ハギヨシ「本当に大事なんのはそう、気にしながらも、大事な人のために頑張る姿勢、それです」 京太郎「これは巨乳派な俺も貧乳を許せますね」 ハギヨシ「こう、不意に『小さくてごめんね?』なんて言われでもすれば」 京太郎「たまりませんね。この手で大きくしてあげたくなります」 ハギヨシ「……裸エプロンに裸Yシャツ、素晴らしいです」 ハギヨシ「が、常に更なる可能性の探求を忘れたはいけません」 京太郎「はい……俺、絶対に忘れません。あなたのおかげで学んできたことを」 紳士の心を、忘れずに 本当に、最後のカンッ!!
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1 名前: ◆qV6dwdDny6[sage] 投稿日:2013/12/09(月) 06 30 14.68 ID gD6UJ1XVO [1/11] 何番目になるかわからない京太郎スレです。 このSSは咲-saki-及び咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-Aのssです。 編集者より コンマスレの編集なのでとびとびになっている場面が多々あります 麻雀部分はいろいろ省いてあります 安価の内容を知りたい場合は本スレを実際に見て下さい 量が多かったのでくっそ雑な編集になっています 京太郎無双スレです
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http //ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1377983742/ 小銭を取り出し自販機に硬貨を投入、商品を選択してボタンを押す。 足音。 音した方に顔を向けると阿知賀の中堅がいた。 京太郎「よう、憧」 憧「やっほ」 一考。 京太郎「お前なに飲む?」 憧「ん……ん~じゃあ、りんごジュース」 京太郎「あいよ」 同じ動作を反復し取り出し口から缶ジュースをもう一本取り出す。 京太郎「ほら」ヒョイッ 憧「わっとと……お、まとも。京太郎の事だからおしるとか渡してくるかと思った」 京太郎「そのネタはもうやった」 憧「誰に、とは聞かないでおくわ」 京太郎「ありがとよ」 憧「ってかなに? 120円であたしとコミュニケーションでも取ろうって? 安く見られたものね」 京太郎「これでも高く見積もったつもりだけどな。しっかり受け取ってるし」 憧「貰えるものは貰うわよ」 京太郎「ちゃっかりしてるね」 憧「それがあたしの良いところ♪」 京太郎「はは、言ってろ」 憧「そうだ、あんたどうせ暇でしょう? ちょっと付き合ってよ」 そう言って憧は右手に掲げた缶の縁を指先で叩いて鳴らす。 これは一杯付き合えって事なんだろうな。 連れ立ってサロンにやってきた。 サロンと言ってもただの応接室でもなくれっきとした麻雀の練習室でもある。 中央には自動麻雀卓が4つあり、周りにはテーブルや長椅子、観葉植物が置かれており部屋の隅には給湯用のコンロなんかもある。 幸い、と言うわけでもないが人はおらず俺達は揃ってソファーに腰を下ろす。 憧「それで、クラブのちび達が『私達も行く~!!』って聞かなくてさ」ケラケラ 京太郎「そりゃ災難だったな。ところで、阿知賀のこども麻雀クラブって無くなったんじゃなかったのか?」 憧「ん? ああ、ハルエが戻ってきたからね。インハイ終わって時間も出来たし、ちょっとずつまた集まりだしたのよ」 京太郎「ふぅん。楽しそうだな、憧」 憧「まぁそれなりにね。…………ふぁ」 可愛らしく欠伸をかみ殺す憧。 京太郎「眠いのか?」 憧「ん、少し」クシクシ 京太郎「移動で疲れたんだろ。もう部屋戻るか?」 憧「もう、少……し……」 トン。 肩に軽い重みと温かな温もり、それ混じって微かに甘いような女の子特有の香りがして僅かに動悸が早まる。 京太郎「ああ、だから言わんこっちゃないのに……」 しゃーない。面倒、ではないが……いや誰かに見付かって誤解されるのは面倒だが部屋まで運んでやるとするか。 そう思いつつも、少しだけ可愛らしく寝息を立てている少女の顔を観察する。 憧「Zzzz……ん……」 小さく身動ぎする憧。前髪が一房目元に掛かる。 途端、寝苦しそうに僅かに顔をしかめる。俺は空いている方の指先で、乱れた前髪を払ってやるとまた元の穏やかな寝顔に戻る。 京太郎「まぁ、もうちょっとだけこのままでもいいか」 缶の底に残った飲み差しのコーヒーを一気に仰ぐ。 京太郎「冷めちゃったな……」 ガチャ 京太郎「ん?」 久「あ……」 テーンテンテーン!、テーンテンテーン! テッテッテッテ、テッテッテッテ…… 憧「…………」スースー 京太郎「あの、か、こ、これ勘、勘違いしちゃダメですよ?」 久「ふ~ん。もうそんな事するとこまで進んでるんだ? 意外と手が早いのね」ニヤニヤ 久「むしろ意外でもなんでもないのかしら?」 京太郎「いやだから、これはあのだから」 回らない舌と頭で必死に言い訳を捻り出していると、 部長は近くにあったテーブルの椅子を引き寄せ俺と隣で寝息を立てている憧の前に陣取る。 京太郎「なんでしょうや?」 久「いや、続きが気になるから」 京太郎「何もしませんよ!?」 久「うそん。こんな女の子が無防備な状態で近くにいるのに何もしないなんて……はっ!?」 その瞬間、我が清澄高校麻雀部部長竹井久先輩今日も緩く結んだおさげが決まっている。その額に閃光が駆け抜ける。 まるで世界の真理を見出した賢人の様に重々しく頷き、 久「実はホモ?」 京太郎「違います」 そうのたまいやがった。 そんな事実あってたまるか火サスとかそんなレベルじゃないぞ。 京太郎「これはあの、あくまで善意から偶発的に自然発生した状況であってこれ以降はなんら進展性を保持していませんよ?」 久「つまんなーい」 俺はあなたを楽しませるために生きてるんじゃありませんよ? 久「まぁいいわ。新子さんに悪いし馬に蹴られる前に退散しましょうっと」 ガタ 京太郎「良いんですか? なんか用事とかあったんじゃ」 久「良いのいいの。ブラブラしてただけだから」 久「須賀君もあんまりフラフラして、周りをやきもきさせるのはダメよ?」 京太郎「? ……はぁ」 久「じゃあね」フリフリ そういって手を一振りし言うだけ言って部長は去っていった。 なんだったんだろうな。 ワイワイ! ガヤガヤ! 照「……」モッキュモッキュモッキュモッキュモッキュモッキュ 菫「おい照、そんな一気に頬張ると……」 誠子「この紅茶美味しい」 和「それはアールグレイのウンタラカンタラ」 尭深「紅茶も悪くない……」コクコク 灼「ハルちゃんお酌するよ」 晴絵「お、悪いな灼」 久「私も一杯いいかしら?」 優希「こういう時こそタコスだじぇ!」 宥「辛いけどあったかいね」ニコニコ まこ「お好み焼きっちゅんわな、こうして……よっと!」 穏乃「おー!!」パチパチ 淡「上手ー!!」パチパチ 咲「カレー出来ました!」ガチャ 玄「食べる人は挙手してください!」 「「「「「「「「「「「「「「「はーい!!」」」」」」」」」」」」」」」 京太郎「って、ちょっと待てい!! なんでみん、」 「「「「「「「「「「「「「「「しーーーーー……」」」」」」」」」」」」」」」 京太郎「っ……!?」 憧「…………」スースー 穏乃「ダメだよ、京太郎。そんな大声出したら、憧が起きちゃう」ヒソヒソ お前が、いや……お前らが言うな。 京太郎「ちくしょう、ああうん。えーみなさんなんでここに集まってるんですか?」ボソ 晴絵「それは私が説明しよう」 教師出陣。 晴絵「須賀君は衆人監視の密室って知ってる? つまりそういうことよ」 京太郎「は?」 晴絵「よし! 宴会再開!」 ワー!ワー! ガヤガヤ こいつらただ騒ぎたいだけと違うか? 久「言っとくけど私じゃないわよ」 なにもゆーとらんがや。 咲「京ちゃん、スルメ食べる?」 京太郎「ありがとう。けど煙いから屋内で七輪はやめて」 咲「ねぇ京ちゃん」ヒソヒソ 京太郎「んあ?」モキュモキュ 咲「もし隣にいたのが私でも、同じようにしてくれた?」 京太郎「それは、まぁ」 咲「そっか」ニコ タタタッ 京太郎「なんだ?」 優希「タコスもあるじぇ!」 京太郎「ありがとう。俺の作り置きだけど……」 優希「なにおう!? 犬のくせにこのゆーき様のタコスが食えんというのか!?」 京太郎「もらうっつってんだろ。あ、やめろ鼻に押し付けるな! 痛い!? スパイスが鼻に痛い!! やめろぉ!!!」 宥「大丈夫? 寒くない? タオルケット持ってきたから」パサ 京太郎「すみません。わざわざ」 宥「~♪」 京太郎「あの、なにか?」 宥「ううん。暖かそうだなって」ニコニコ 淡「む~」プク 京太郎「今度はお前か」 淡「アコばっかりズルい!」 京太郎「ズルいってなぁ」 淡「おでこにマジックで魚肉って書いてやる」 京太郎「やめなさい。ってかなんで魚肉」 淡「そんでアコが起きたらキョータローがやったって言っちゃうもん」 京太郎「おいそれやったらお前あの、あれだからな?」 京太郎「今晩寝てるお前の部屋侵入して顔と言う顔に牛タン貼り付けて油でギトギトにするからな?」 淡「じゃあ私には腕枕して」 京太郎「何故そうなる」 淡「良いもん! 私が逆に京太郎の部屋に侵入してやるもん」タタタッ 京太郎「あ、おい…………なんなんだあいつは」 玄「あはは、みんなすごいね」 京太郎「玄さん」 玄「お腹空いてない? カレー持ってきたけど」 京太郎「ありがとうございます。…………なんですか、この珍妙なものは」 玄「えっと、これが照さんがくれたマフィン、優希ちゃんのタコス、こっちが咲ちゃんのスルメでしょ?」 玄「この部分が染谷さんの広島焼きで、それと亦野さんがくれたマグロの目玉とウツボの肝かな」 ふざけたトッピングしやがって。盛れば良いってもんじゃない事を物理的に教えて差し上げたい。 玄「そのままじゃ食べにくくないかな?」 京太郎「え? まぁ片手が少し」 玄「その、ね? よかったらわわわ私が! その、た、食べさせてあげたりとかしようか?」 玄「なんて言っちゃったりなんかしてみたりして!///」テレテレ 京太郎「あ、マジですか?」 平静を装いつつ内心で盛大にガッツポーズを決める。おいおいどんだけ天使やねん。 憧「…………」 心なしか憧からかかる重みが増した気がするがそれはきっと俺の心境の変化的なそれだろう。つまり気のせい。 玄「そ、それじゃあ失礼します///」カチャ 京太郎「は、はい。お願いします」ドギマギ 晴絵「玄ー! おつまみ足りなーい!」 玄「」 京太郎「」 玄「あ、あはははは。それじゃあ先生も呼んでるし私行ってきますのだ!///」ワタワタ 京太郎「はい。ど、どうぞ……」 タタタッ 京太郎「……」 空気読めよレジェンゴォォォォォォ!!!! 穏乃「よし、1番! 高鴨穏乃、歌います!」 淡「なにおう! なら歌で勝負だ高鴨穏乃!」 穏乃「お!? デュエットだね? 受けて立とうじゃないですか!」 淡「選曲は?」 穏乃「もちろん!」 淡穏「「ルミナス!」」 穏乃「呼んだ希望辿って止めた世界を超えた」 淡「諦めない想いいつしか心繋げた」 穏乃「泣いていたって笑って」 淡「明日迎えに行こう」 淡「決めた誓い辛くて倒れても」 穏乃「君のココロを守るため」 穏淡「君の側にいよう」 シーン…… ワー! ワー! パチパチパチパチ イイゾー! フタリトモカワイイー! 最早、収拾不可能なほどのどんちゃん騒ぎに発展していた。 3人寄れば姦しいとは言うがその3倍近い人数が集まるとこれ程の騒ぎになるのか。恐るべきパワーだ。 憧「Zzzz……ん、…………」スースー と言うかこいつもこの状況でよく寝ていられるな。実は起きてるんじゃないのか? 憧「ん、んん……」 そう思った矢先、先程まで大人しく寝息を立てていた憧がモゾモゾと身動ぎしだす。 憧「ん、ふわぁぁ~~…………あれ、あたし? なにして?」ゴシゴシ 憧「うん?」キョトン 京太郎「おはようございます」 メインシステムパイロットデータの認証を開始します。 憧「お、おはよう……」 メインシステム通常モードを起動しました。これより作戦行動を再開、あなたの帰還を歓迎します。なんつって。 憧「ん……?」ゴソゴソ ここで状況を整理しよう。俺と憧は今ほぼ一分の隙もないほど密着している。それはもうお互いのまつ毛の本数が数えられるほどだ。 なにかで見た恋人の距離が10cm、あれ5cmだったっけな? まぁとにかくそんなものを超越した至近距離である。しかも仲良く同じタオルケットに包まっている。 憧「…………!?!??!?!!?!?!////////////」プシュー!! 見てわかるほどに憧の顔が急沸騰。あ、なんか嫌な予感。 憧「きゃああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ドゴォッ!! 右腕のミサイルが俺の鼻っ柱に突き刺さった。 そこは普通に女の子らしくビンタとかじゃないんですか? 憧「ごめん! ほんっとごめん!」ペコペコ さっきからこの調子で謝りっぱなしの憧。 京太郎「いや、いいよ。大丈夫だから」 憧「でも……」 京太郎「いや、お前はいい。いったん置いとくいったんな? だからいい」クルッ 京太郎「…………………………君達だよ」 「「「「「「「「「「「「「「「え?」」」」」」」」」」」」」」」 京太郎「なんか、俺が憧の鉄拳を受けた瞬間『これが見たかった!!』みたいな顔しやがって」 久「あはは、いやーしかしなかなかいいのが決まったわね」 部長が顎先を撫でながら俺の鼻の頭をまじまじと見つめる。 菫「ふむ、これ程のヘヴィパンチャーはそうはいないな」 弘世先輩がうんうんと関心している。くそ、あなたはこっち側だと思ってたのに!! 晴絵「まぁあれね、予定調和って奴?」ケラケラ この人本当に教師か? 教員免許偽造とかじゃないだろうな? 穏乃「憧は男の子に免疫無いからね~。まぁ仕方ないっちゃ仕方ないよね」 穏乃「けど、京太郎には結構心許してるみたいだよ?」ヒソヒソ 耳元で小さく耳打ちする穏乃。 京太郎「ほっほぉ~~~~~う」ニヤニヤ 憧「うっわ、嫌な笑い」 咲「……」 淡「むぅ……」 玄「あうあう……」ソワソワ 久「さーて、見るもの見たし片付けしてみんなお風呂にでも行きましょうか」 最早、大晦日の年越しの感覚か? 「年明けたし寝よう」みたいな。 京太郎「あ~あ~、まったくこんなに散らかして……」 これが合宿の間ずっと続くのか…… まったくもって前途多難だ。 咲「だからね? えっとここでカンすると、次で嶺上開花を和了れるから……」 京太郎「……」 優希「タコスだじぇ。タコスを食べれば配牌もツモも良くなるんだじぇ」 京太郎「……」 久「須賀君も悪待ちやってみたら? あなた幸薄そうだし逆を突いてみるのもいいかもね」ケラケラ 京太郎「……」 照「京ちゃん京ちゃん。明日のおやつはホットケーキがいいな」 京太郎「……」 淡「だから、こう……フッ!って力を入れると配牌でテンパッてるから初手ダブリーぶっぱで後はカンして和了だけ。ね、簡単でしょ?」 京太郎「……」 尭深「各局の第一打がオーラスの配牌として戻ってくるからそれを意識して打つといいよ」 京太郎「……」 誠子「とにかく鳴くんだ。鳴けばいい」 京太郎「……」 穏乃「目の前の山を踏破すれば良いんだよ!」 京太郎「……」 玄「ドラです。ドラを集めるのです」 京太郎「……」 宥「あったかい牌がね、いっぱい集まると手がとってもあったかいんだよ?」 京太郎「……」 灼「ボウリングの技法を取り入れて筒子多面張で」 京太郎「……」 晴絵「須賀君って10回に1回くらいの確率で不要牌ツモるよね。あはははは」 京太郎「……」 京太郎「お前らみんなアホッ! 死ねばいい!」ダッ 菫「逃げたぞ、者共! ひっ捕らえろ!」 和「須賀君! 気持ちはわかりますがここで逃げてはダメです」ガシッ まこ「あれらは例外じゃ。もっと普通に、普通にやれば良いんじゃ」ガシッ 憧「本質的にダメね。この男」 久「軽いコントも終わったところでお風呂でも行きましょうか」 まこ「相変わらず切り替えが早いな。お前さんは」 久「喜びなさい。なんとこの旅館、温泉があるのよ」 京太郎「お! 良いッスね温泉」 女性陣「……」シラー なんか酷い誤解を招いてる気がするが。 京太郎「あの、一応言っときますけど別にそんな皆さんが思ってるような下心とか無いですからね」 ってか温泉に反応したのにあの目。普段からそういう思われてんのかな俺って。 和「須賀君は温泉好きなんですか?」 京太郎「温泉ね。まぁ人並か、より上くらいには好きよ」 咲「気持ちいいよね。温泉」 京太郎「そうそう。『日本人たる者、心の郷愁を覚えずにはいられないな!』って宮守のエイスリン先輩も言ってたしな」 久「あの娘確かニュージーランド出身よね?」 憧「一応釘刺しておくけど、お風呂覗こうなんて考えたら……わかってるわね?」ジト 京太郎「ああ? この俺が? 覗き?」 京太郎「随分と低く見られたもんですな?」 っていうか、人の肩で好き放題寝息立てといてよう言うわ。 京太郎「俺がそんなさもしい真似をするとでも思ってるんですか?」 憧「言い切ったわね。信用していいの?」 京太郎「おう、覗きなんて卑怯な手段は使わない」 京太郎「正面から堂々と一緒に入る!」バーン!! ――――― ――― ― 京太郎「ちくしょう! 冗談なのに! 解けちくしょう!」 ビッタンバッタン!! 憧のヤロー両手両足を縄で縛った上にその上からさらに布団でグルグル巻きの簀巻きにしやがった。 仮にそこは大譲歩するとして廊下に放置するのやめてもらえませんかね? 玄「ふぇぇぇぇ」ビエーン 京太郎「玄さん、俺のために泣いてくれるんですか?」 玄「ごめんね。京太郎君、私に力が無いばっかりにこんなことに」グスン そう言いながら玄さんは無造作に放り出されていた俺の頭部を自らの膝に乗せてくれた。 後頭部に感じるこの柔らかさと温かさ。 そしてこのアングルから見える双丘のなんとすばらなことか。 京太郎「玄さん、行ってください」 玄「ふぇ?」 京太郎「俺はここまでみたいです。しかし同じ志を持つ者として玄さんには先に進んでもらいたいんです」 玄「で、でも……」 京太郎「泣いても、後悔しても、それでも前に進めってあんたはあの準決勝でそう決めたなんじゃなかったのか!?」 玄「それは……」 京太郎「じゃあ行けよ! 行って思いを遂げろ! 俺の心はいつでも一緒にいるから」ニコ 玄「っ……」ゴシゴシ 玄「わかりましたのだ!」ガバ 決意を宿した瞳を湛え、玄さんは勢いよく立ち上がる。同時に俺の頭部が廊下の床に激突、鈍い音を上げる。 いって…… 玄「松実玄、行ってまいります!」ビシッ 京太郎「あの、でももしどうしてもって言うならここで俺の話し相手になってくれてもいいですよ?」 京太郎「俺なんも出来ないですけど、しりとりくらいなら、」 玄「待っててね! おもちパラダーイス!!」ドヒューン! 京太郎「出来ま………………はえぇ……」 しばし一考。 京太郎「縄解いてもらえばよかったな」ビタンビタン 温泉 淡「それワシャワシャ!」アワアワ 優希「あはははくすぐったいじぇ淡ちゃん!」ワシャワシャ 晴絵「ああ~五臓六腑に染み渡るわ~」 憧「ハルエ年寄りくさぁ」 晴絵「はっ、あんたらもね二十を過ぎればこうなんのよ。せいぜい覚悟しておくことね」 憧「うわ、嫌だな」 晴絵「若い若い若さ漲るパワー最高っ」 和「気持ちいですね」バイーン 照「」テルーン 尭深「はい」バイーン 照「あの、お願いだから2人とも私を挟んで座らないで」ザバザバ 和「行ってしまいましたね。どうしたんでしょか」 尭深「さぁ?」ハテナ まこ「京太郎には悪いことしたかもな。なにもあそこまでせんでも」 久「うーん…………面白いから許す!」 まこ「相変わらず辛辣じゃな」 みんなが風呂に行ってからそれなりに時間が経った。 京太郎「うーん……」ゴロゴロ 身動き出来ないのはいいが退屈なのは簡便してもらいたいな。 京太郎「うーん……」ゴロゴロゴロ プ~ン…… 京太郎「この音は……」 蚊「やぁ」 ちくしょう! なんか来やがった! やめろ、やめて来ないで! プス あ…… 眉間を刺された。 どうする! どうする!? 京太郎「だぁー!」ドゴッ 手が使えない俺は咄嗟に壁にヘッドバットを叩き込んだ。 プ~ン 蚊は血を吸うだけ吸うと、何事も無かったかのように去って行った。後には痒みと痛みと簀巻き俺だけが取り残された。 このやり様の無い、言葉では言い表せない虚しさと悲しさ。 そしてなにより眉間が痛い痒い痛い痒い。 今、この両手が自由なら眉間を掻き毟ってしまいたい。 だが出来ない!! 目の前にあるのは床と壁。 ふと、その壁がとても魅力的見えた。 この痒みを抱えた額を擦り付ければどれだけ気持ちいいだろうか。 いかんとてもいい案に思えてきた。 けどそうれはどうだ? 人としてのなには大事な尊厳的なものが瓦解するんではなかろうか。 しかし背に腹はかえられない。俺は人間を捨てる! ゴリゴリ、ズリズリ ああ、俺、今すごく気持ちいい。 ちょっと気持ちよがり過ぎな気もしなくも無いが。 カラーン 京太郎「え?」 咲「京、ちゃん……」 京太郎「咲?」 乾いた音が響き、そちらに目を向けるとそこには風呂上りの咲が立っていた。 音源はどうやら手に持っていた風呂桶を落っことしたためらしい。え? 普通備え付けのがあるだろ。まさか自前? 咲「京ちゃん!」ダッ 咲「ごめん、ごめんね。辛かったんだね? 苦しかったんだね?」 なに言ってんだこいつ。 咲は一生懸命、俺に巻かれたプーロ……違う。ロープを解いてくれる。 京太郎「え、なに? …………ああ」 なるほど、客観的に見て今俺は簀巻きのままデコを壁に押し付けててなにはやっている状態だったのか。 …………………我ながら頭おかしい。 咲「大丈夫? 頭」 言葉だけ聞くと心配されてるのかバカにされてるのか判断に困るな。 なぜかまったく意図していなかった幼馴染の同情を買うことに成功してしまった。 今思い出しても恥ずかしい。死にたい。 俺と咲はマブだ。 ここに集まってるメンバーの中でもっとも付き合いが長い古馴染みだ。 お互いの結構恥ずかしい失敗談なんかももちろ知ってる。 だからこそ逆に見られた無かった。 これからしばらくの間、あの雨に濡れた捨てられた仔犬を見るような憐憫の眼差しで見つめられるのかと思うと、 悔しさと悲しさで枕を濡らさずにはいられなかった。 京太郎「う~ん……」ゴロゴロ 京太郎「う~ん…………」ゴロゴロ なんとなく寝付けずに自室(仮)を右往左往。 右往左往っていうか狭い上に寝転がっているので言うほど動けないんですがね。 興奮して眠れないとか、しかも前日でもなく当日とは。小学生とも言えない謎の感性。 コンコン 京太郎「ん?」 小さく響いたノックの音。こんな時間に? トイレに立った咲が道に迷ってたまたま通りかかったから泣き付きに来たか? 俺はのそのそ起き上がりずれた寝巻きを正しつつ戸を開ける。 京太郎「はいはいどちら様?」 和「こんばんわ♪ 須賀君」 そこにいたのはチームメイトの和だった。 意外な人物に思わず目を丸くする。 京太郎「和? どうしたんだこんな時間に」 和「ふふふ」トン 京太郎「え?」 俺の疑問に答えず、軽く胸を押される。 それほど強い力でも無いのに抗えない何かに気圧されるように、俺は一歩、自室(仮)に後退る。 一歩引いた事でその分、和が一歩踏み込む。 踏み込んだ勢いのまま和はゆるゆると俺の身体に両腕をまわしてきた。 京太郎「の、和……?」 行き成りの事で事態が飲み込めない。 それと抱き締められる事で押し付けられるあれこれが、なんというか、その……すごく柔らかいです。 和「やっと、やっと……この時が来ました」ギュゥ 京太郎「は? いや、あの……」 和「須賀君、いえ京太郎さん……」 下の名前で言い直しながら潤んだ瞳で見上げてくる。 ゴク 正直、堪りません。 和「ずっとこうしたかったんです」ギュウ そういっていっそう身体を強く押し付けてくる和。 おいおいおい、これってもしかしてそういうことなんですかね? 京太郎「それってその……和は俺のこと?」 和「はい。ずっとお慕いしてました」 遂に来ちゃったかぁ~俺の時代が。 京太郎「あの、いやでもほら。ここ合宿場で他にみんなとかいるし」 和「京太郎さんは、私のこと嫌いですか?」 京太郎「もちろん好きだよ。好きか嫌いかって言われりゃもちろん好きだけど、でもたぶん和の言う好きとはたぶん違うって言うか」 たぶん俺の好きは麻雀に、そしてそれ以外にも真剣に向き合う憧れ的なもので。 それに俺には咲が…………あれ? 俺なんで咲に義理立てしてるんだっけ? よく考えりゃ咲とか別にどっちでもよかった。俺は「ちょっと!?」っとむくれる幼馴染の顔を遠投で遠くに追いやる。 和「…………ん」 これは…… 目を閉じ、そっと唇を上に向けている。つまりそういう事で良いんですよな? ってか、今更だけど憧れてた女の子が夜自分の部屋に逆夜這いをかけに来るなんて、 こんな男心をくすぐる様な俺好みな展開は強引過ぎるって言うかまるで夢見たいな……え? 夢!? 和「ピピピピピピピピピ……」 あ、夢だこれ。 ――――― ――― ― pipipipipipipi ムクリ ゆっくりと上体を起こし、鳴り止まぬ目覚まし、っというかケータイのアラームに手を伸ばす。 頭を掻きながらあたりを見回すと、まぁ当然だが自室(仮)の布団の上だった。 カーテン越しに差し込む薄白んだ明かりからするともう朝らしい。いつの間にか寝てたようだ。 立ち上げってカーテンを開き、窓を開け放つ。 京太郎「夢ならもっといろいろサービスしてくれよぉぉぉぉぉ!!!!!!」 京太郎「っていう夢を見たんですけど、どう思います?」 菫「そのいかがわしい夢の話を何故私にする?」 京太郎「誰でもいいからブチ撒けたかったんです!」 菫「バカか君は」 一刀のもとに斬って捨てられた。 確かに自分でもちょっと頭悪いかなって思わなくもないけど。 淡「むぅ……」グデーン それとさっきから俺の背中に乗っかってくるのが1人。 京太郎「なんなのさっきからあなたは?」 淡「な~んで私じゃなくてノドカが夢に出てくるの!? 私の夢を見ろ!」 京太郎「はぁ? お前、俺が夢を自在にコントロール出来る系の能力者かなにかと勘違いしてないか?」 京太郎「もしそうならもっとこう、……さぁ」チラ ついつい視線がおも、渋谷先輩の方へと引き寄せられてしまう。 尭深「ポッ(棒)」 淡「なんか見詰め合ってるー! タカミーも満更じゃない感じだしてるー!」アワーン! 尭深「お茶美味しい」ズズ 淡「とにかくキョータローは今晩は私の夢を見ること!」 京太郎「前から思ってたけどお前なんでそんな偉そうなの? どこの立場の人間だお前は」 淡「そうだ! 枕の下に写真入れるとその人の夢が見れるっていうよね」 京太郎「ああ、まぁ言うな。思いっきり眉唾だけど」 淡「写真、写真を撮ろう!」 京太郎「言うけどカメラなんて無いぞ?」 淡「んーと、んーと……そだ! ケータイで撮ろっと」グイグイ 京太郎「……」 ノータッチ。 淡「さっさと屈め! このジャイアントバーバリアン一族!」グイグイ どこの部族だ。 腕に抱きついて引っ張ってくる淡に急かされ、俺は頭の位置がちょうど同じくらいの高さになるように腰を屈める。 淡「イェイ~ ピースピース♪」 京太郎「はいはいピース」 ピロリン 淡「やったー!ツーショット! 待ち受けにしよーっと。見て見てテルー!」タタタ 枕云々の話はいいんだろうか? 敢えて突っ込もうとは思わないが。 京太郎「淡はバカだなぁ」 まぁそういうとこ嫌いじゃないけどね。 照「京ちゃん京ちゃん」ツンツン 突然背中を突かれる。 京太郎「? 照さん?」 照「私も、写真」フリフリ どうやら淡のツーショットが羨ましいらしく、自分も自分もと言った具合にケータイを振ってみせる。羨ましいか? 京太郎「ん、わかりました。使い方わかりますか?」 照「む、京ちゃんは失礼。お姉ちゃんはけーたいでんわくらい使えます」 照さんは昔からこのお姉ちゃんアピールを俺に対してよくしてくる。 照「えっと、えっと……」アセアセ 京太郎「やりましょうか?」 照「う、うん……///」 ケータイの操作がわからなくて四苦八苦してる照さん萌。 違うそうじゃない、照さんからケータイを受け取り慣れた手付きで操作する。 今時ガラケーかよと思わなくも無いが照さんらしいといえばらしいのでなんとなく微笑ましい。 照「ごめんね。私こういうのぜんぜんダメで……」シュン 京太郎「……」ナデナデ 照「き、京ちゃん!?」 京太郎「はっ!? すいませんつい」 しょげてる照さんがなんと言うか庇護欲を誘うのでつい反射的に頭を撫でてしまった。 咲とか穏乃とかにもついやってしまうのだが、憧なんか言わせれば気安くそういうことをするのダメらしい。よくわからん。 照「もっと撫でていいよ……」 京太郎「え?」 照「頭……」 京太郎「あ、ああ! 頭ね」 ナデナデ 照「///」テルテル 京太郎「……」 うむ、なんともすばらな手触り。 しかし、この先端の……なんだこれ? この鋭い部分はなんなんだろうな。 咲にもあるんだよな、宮永の血統なのだろうか? そういえば以前、薬局に寄ったとき咲が『超強靭ワックス!!戦闘民族専用』とかいうのを買っているところを目撃してしまった。 結果の程は推して知るべし。 照「京ちゃん、そろそろ」 京太郎「おっとそうでした」 脱線してしまった。当初の目的を思い出し照さんと肩を並べる形で身を寄せる。 なんだろう。なんか照れる。 京太郎「いいですか? 撮りますよ」 照「う、うん///」 ピロリン 京太郎「淡みたいに待ち受けにしますか?」 照「うん。お願い」 京太郎「了解ッス」カチカチ 京太郎「はい、これでオッケー」 ケータイを照さんに返し出来栄えを確認してもらう。 照「ありがとう。京ちゃん」 柔らかくはにかむ照さん。可愛い。 京太郎「どういたしまして、お姉ちゃん」 急須に茶葉を入れる。ケトルから湯のみにお湯を注ぎ冷めるのを待つ。 その間に、鶴口ポットで沸騰させておいたお湯を、ネルドリップでむらしを行いながら外から円を描くようにサーバーに注ぐ。 注湯の茶色の濃さを見つつ、適度なところで手を止める。コーヒーはこれで良し。 冷ましておいた湯を急須に注ぎ、再び湯のみへ絞るように注ぎきる。 マグカップを5つに湯のみを1つ、ミルクの容器、砂糖の容器、それからもう一つをお盆に載せお嬢様方が待つ席へ向かう。 まずは、 京太郎「どうぞ、渋谷先輩。今日は深蒸し煎茶にしてみました」 尭深「ありがとう。須賀君」ニコ 白糸台屈指のお茶マイスターである渋谷先輩に本人愛用の湯のみを目の前に置く。 唯一のお茶なので最初に渡しただけで、ゆっときますけど俺の好みとかは関係ないですからね? 京太郎「亦野先輩はブラックでしたよね」 誠子「ありがとう。うん、良い香りだ」 亦野先輩はコーヒーをブラックで飲む。この年代の女子学生にはなかなか珍しい好みだと思うが、 本人によると「夜釣りなんかのときに眠気覚ましに飲んでたらブラックじゃないと飲めなくなった」らしい。 相変わらずワイルドな人だ。 照「京ちゃん京ちゃん」 淡「キョータローキョータロー」 京太郎「はいはい、今行きますよ」 二大甘党の前にそれぞれマグカップを置く。 京太郎「照さん、砂糖の数は?」 照「3つ!」テルテル 京太郎「はいはい」 苦笑しつつ、角砂糖を3つ投入しミルクをたっぷり注ぐ。 京太郎「どうぞ」コトッ 照「ありがと、京ちゃん」 京太郎「淡は……」 淡「苦……!?」 聞く前からすでに飲んでいた。そんでもって苦さに顔をしかめていた。 京太郎「お前は……ホント、バカだなぁ」 淡のカップに砂糖とミルクを足しつつ用意しておいた茶菓子を前においてやる。 淡「あむあむ、あんでコーヒーってこんな苦いの?」ポリポリ 京太郎「だから紅茶にするか? って聞いたんだろうが……ほら」スッ 淡「ん……ズズ ……あわーい」ニパァ 京太郎「はいはい、甘い甘い」 最後に弘世先輩の前にカップを持っていく。 京太郎「お待たせしました。先輩」 菫「いや、ありがとう。いつもすまないな」 京太郎「いいですよぉ。好きでやってんですから」 京太郎「先輩はミルクと砂糖は?」 菫「そうだな……」チラ 僅かに亦野先輩の方に視線を送る。 実は弘世先輩も照さん達程ではないがなかなかの甘党である。だが、後輩がブラックで飲んでる手前あまりそれを見せたくないらしい。 もうみんな知ってますよ? とは言ってはいけない雰囲気。一見クールに見えて結構可愛い人だよね。 京太郎「じゃあこれはどうですか?」 俺はお盆に残されていた最後の一つを弘世先輩の前に差し出す。 菫「なんだこれは?」 京太郎「塩です」 菫「なんだって?」 塩。塩化ナトリウム。NaCl。舐めるとしょっぱい。白い粒。 菫「なぜ塩なんだ?」 京太郎「それはコーヒーに入れるためですよ」 淡「塩ってコーヒーに入れるものなの?」 横から淡が口を挟んでくる。 言葉にはしないが他の3人も興味深げにこちらも伺っている。 京太郎「弘世先輩はコーヒーに塩を入れて飲んだことはありますか?」 菫「いや無いが」 淡「コーヒーに塩なんて、ただでさえ苦いのにその上しょっぱくなっちゃったらますます美味しくないと思うな」 照「……」コクコク 京太郎「そうかな? 世界にはコーヒーに塩を入れて飲む地域だってある」 京太郎「そこに住み人たちにはコーヒーは塩で飲むのが常識で、逆に砂糖やミルクを入れる方が非常識ってことになる」 俺が今言ったセリフとまったく同じことを昔ある人に言われたことがある。 ― ――― ――――― 京太郎「コーヒー入りましたよ、部長。インスタントですけど」コト 久「ありがと」 短くお礼を言いつつ、部長は俺の手からマグカップを受け取る。 久「ん……」ズズ 久「これはブラック?」 京太郎「はいそうですけど。部長ってブラック派じゃありませんでしたっけ?」 以前にふと見かけた飲み差しのカップはそうだったと思うのだが。 久「ふふ、私は塩派よ」 京太郎「は? 塩?」 なに言ってんだこの人? 前々から変な人だとは思ってたけどまさかここまで極まってたとは…… 久「意外かしら? けど世界にはコーヒーに塩を入れて飲む地域だってあるわ」 久「そこに住み人たちにはコーヒーは塩で飲むのが常識で、逆に砂糖やミルクを入れる方が非常識ってことになるわね」 京太郎「まぁ……」 そうでしょうけども。 久「ところでコーヒーにミルクを入れるとコーヒー牛乳になるけど、紅茶にミルクを入れると紅茶牛乳じゃなくてミルクティーになるわよね」 久「このミルクティーを作るとき紅茶とミルク、どちらを先に入れるかというここ何百年もの間、未解決な命題があるの」 久「これについて須賀君はどう思う?」 京太郎「いや、どうって言われても……っていうかまたテレビかなんかの雑学ですか?」 久「話のネタにはいいでしょう?」 ~数日後~ 京太郎「部員集まりませんね」 久「まぁそんな簡単に集まったら苦労しないわね」 京太郎「2年の先輩の、えぇっとなんて人でしたっけ? その人を連れ戻すって話は……」 久「染谷まこ、ね。そうねぇ須賀君もやっとルールを覚えてきた頃だしそろそろ突撃しようかしら」 京太郎「は? 突撃?」 久「まこの実家の麻雀喫茶にね」 京太郎「その先輩のご実家喫茶店なんですか?」 久「そそ、それもあって部活離れしてたってとこかな」 京太郎「はぁ……」ポカーン 久「よし! じゃあ行きましょうか」 京太郎「え? もしや今から?」 久「もちろん! 思い立ったら吉日って言うでしょ?」 京太郎「この場合は行き当たりばったりの方が合ってるような」 久「いいから来る!」 京太郎「わかりました! わっかりましたよもう!」 久「っと、その前に……」ズズ、コクン 久「ん、良い塩加減。やっぱり須賀君の入れるコーヒーが1番美味しいわね♪」ニコ ――――― ――― ― 京太郎「っと、つまりゆで卵に塩をかけて食べるように、コーヒーに塩を入れて飲んだら意外と美味しいかも」 京太郎「って俺はそう言いたい訳ですよ」 俺の話をふんふむと聞いていた一同。 俺が話し終えると、そこで口火を切るのも白糸台チーム虎姫賑やかし担当の淡・大星。 淡「ん~、けど私、ゆで卵にはマヨネーズなんだけど」 しばし一考。 京太郎「なるほどマヨネーズか……」 マヨネーズ、コーヒーにマヨネーズか。 マヨネーズinコーヒーを想像しながら自分の分に口をつけるとなんと言えない味が広がる。 どうしようか迷った末、苦々しい表情をしながらなんとか飲み込む。 菫「塩のコーヒーか……」 呟きながら、塩の小瓶から一匙掬い自分のコーヒーへ。 俺の長話の所為で少し温くなったコーヒーをかき混ぜ、一口啜る。 菫「ふむ……」 京太郎「どうですか?」 菫「あまり美味しくないな」 部長、どうやらここでは塩は非常識に分類されるようです。 京太郎「……」ペラッ 午後の昼下り。俺は1人でソファーに腰を沈めながら読書に耽る。 こう見えても俺はそこそこ本を読む。っというのもまぁ単純に身近に重度の読書家がいてそいつがあれこれと熱心に勧めてくるので、 いつの間にかそういう習慣が身についただけで、別に瀟洒を気取ってるとか知的さを振り撒いて女の子にモテたいとかそういうことじゃ…… いや、すんません。ちょっとだけ期待してました。 京太郎「…………」ペラッ ガチャ 淡「……」キョロキョロ 淡「あ! キョ、っ……」 扉が開き顔を覗かせたのは、ここではもう見慣れたメンバーの1人。 一瞬だけ顔を輝かせ俺の名前を呼び掛けるが、こちらが本を読んでいたことに気付くと慌てて口を噤む。 淡「……」タタタ ボフ 俺が座っていたソファー、その右横に勢いよく腰を下ろす淡。 俺は特に無い言及せず読書を続ける。 ちなみの俺は学校の授業や、こういった読書の時に俺はメガネをかけている。 オススメというだけありつい内容に引き込まれて夜中に暗がりで熱中して読みふけっていたら 最近少し視力が下がってきてしまったからだ。 晴れてメガネデビューを果たした俺がそれについて部内でからかわれた事もあったのだがそれについては今は割愛。 淡「キョータローってメガネ掛けてたっけ?」 京太郎「ああ、ちょい前くらいから」 知っての通り普段は掛けてないから未だにこうやって驚かれたりすることもままある。 京太郎「頭良さそうだろ?」 淡「うん! 知性があるように見える」 京太郎「……」 お前もっと言葉を選べよ…… 内心で呆れつつ再び本に視線を戻す。 淡もそれ以上なにも言わず、裸足のつま先にスリッパを引っ掛け楽しそうに脚をパタつかせているだけだった。 淡「~♪」 淡は特になにかをするでもなにかを話すでもなくただ俺の隣に座っているだけ。 それにしてはいやに機嫌が良さそうだ。 俺が読んでいる本は文庫本サイズ。 それを左手で持ち替え、空いた右手でメガネのフレームを押し上げつつ隣に座る淡の頭に手を伸ばす。 京太郎「……」ナデナデ 淡「! にゅふふ~♪」 頭を撫でてやると気持ち良さそうに目を細めながら、満足気に声を漏らす。 淡「ねぇねぇ、それなに読んでるの?」 けどやっぱりというか堪え性が無いため質問を投げかけてくる。 京太郎「官能小説」 ズサササ! 思いっきり距離を取られた。 京太郎「いや、あの冗談ですよ?」 さすがにながらでいられないので落としていた視線を上げ淡に顔を向ける。 淡「な、なんだ冗談か~」 淡「もうもう! キョータローのジョーダンは質が悪いよ!」プンスコプン 京太郎「そうむくれるなよ。大体お前こそなんだその反応。いつもならここからもう一言二言遊ぶだろ?」 淡「それはまぁ……そうだけど」 まだ少し警戒の色を残しながらおずおずと元の位置に戻ってくる。 淡「それでなに読んでたの?」 京太郎「フランス書院」 淡「なにそれ?」 京太郎「いややっぱ今の無し。普通のミステリー小説だよ、ほれ」 ページを閉じてしまわないように気を配りながら淡の方に向ける。 淡「ふ~ん、あ! これ知ってるこないだテルーが読んでた奴だ」 京太郎「へぇ照さんがね」 ってことは照さんから咲に、そんで俺にといった感じだろうか? 読み切ったら是非語り合いたいな。 淡「なんか実は、真犯人の共犯者が主人公の弟だったとかって驚いてた!」 京太郎「え……」 淡「それで、えっとえっとなんだっけ……キョータロー?」 京太郎「まだ、そこまで読んでない……」 淡「え、あ!? あわわわわわわ……ごご、ごめん!」 京太郎「いや、いいけど……」 俺は本を閉じ、ソファーの肘掛けにぐったりとうな垂れる。栞を差し込む気力も無い。 京太郎「冷水ぶっ掛けられた……」ガックシ 淡「もーごめんって! キョータローってばー!」アワアワ! 京太郎「うえぇ、さっぶ……」ガタガタ 湿った肩を自分で抱きながら、全身に纏わりつく寒さをなんとか誤魔化そうとする。 京太郎「ちくしょうついてな、ふぁ……っくしゅん!!」 あー、ついてない。まさか外の水道が老朽化していて捻った瞬間爆発しようなどと誰が予測出来ようか。 濡れた前髪が顔面に張り付いてなんとも不愉快だ。 着替えを片手に暖簾を潜り、浴場へ続く脱衣所への戸を開ける。 ガラララ 穏乃「うん?」 京太郎「…………え?」 そこにいたのは生まれたままの姿の高鴨穏乃だった。 京太郎「す、スッポンポンのポンポコポーン……」 穏乃「おっす京太郎。京太郎もお風呂?」タタタ 京太郎「前を隠せぇぇぇぇーーーっ!!」 俺は絶叫しながら手から着替えの袋が落ちるのも気にせず、両手で顔を覆いながら穏乃に背を向ける。 京太郎「すすすす、すまん! すぐ出るから」 穏乃「えー京太郎お風呂入りに来たんじゃないの? なら一緒に入ろうよ」 出来るかボケェ!! 穏乃「ねー聞いてる?」グイグイ 京太郎「ちょ、おおい!? なに引っ付いてきてるの!?」 穏乃「って、京太郎ビショビショじゃん! 早く温まらないと風邪引くよ!」 そういって入り口付近で二の足を踏んでいた俺をズルズル引き摺っていく。 なにこのパワー!? 京太郎「ちょ! やめて、俺今あの、あれ! すごい、極限状態だから!」 穏乃「なにゴチャゴチャいってるの! ほら早く!」 京太郎「大体、穏乃! お前俺に一瞬とは言え裸見られてんのにそれについてはなんかないの!?」 穏乃「ん~?」 穏乃の視線が自分を見下ろし、それからゆっくりと正面に戻ってくる。 穏乃「わああああああああああああああああ!?!?!??!!!////////////」 パタパタパタパタ 突然の足音。 シズ~ドウカシタノ~ 戸口の向こうから聞こえたこの声は、……憧!? やばい、この状況。バレればあの、えぇっと……とにかくとんでもないことになるよ!? 穏乃「な、なんでもな~い! ちょっと滑って驚いただけー!」 京太郎「!?」 キヲツケナサイヨ~ 穏乃「わかった~!」 パタパタパタ…… 足音が遠ざかっていく。 シーン…… 残ったのは静謐。 京太郎「じゃ、じゃあ俺出直すからまた後で……」 穏乃「ダメだよ! 風邪引くって」 京太郎「だけどお前なぁ」 穏乃「私は大丈夫、平気……だから///」 京太郎「はぁ……わかったよ」ポン 俺はなるべく穏乃の裸体を見ないようにしつつ頭に手を載せる。 穏乃「あ……」 京太郎「そんかわり、お前は先浴室いっとけぶっちゃけ今の穏乃のが風邪引きそうだ」 穏乃「あ、うん!」パァァ 勢いよく頷くと穏乃は勢いよく駆けていく。 途中でホントに足を滑らせかけ「どえぇぇぇ!?」などと女の子が口にするにはいささか奇特な声を漏らしながら、 浴場へ繋がる戸口へ消えていった。 京太郎「あいつ、俺がこのままバッくれるとか考えないのかな?」 カポーン 鹿脅しに似た幻聴が聞こえる。 京太郎「…………」ボケェー 穏乃「…………///」ポー 俺と穏乃は近すぎずさりとて遠すぎず、微妙な距離を保って肩を並べて湯船に浸かっていた。 あのまま逃走も考えたがそれはそれで後からなに言われるかわからないので大人しく穏乃の意向に従うことにした。 京太郎「…………悪かったな」 穏乃「なにが?」 京太郎「不可抗力とは言えその、なんだ……裸見ちゃって」ポリポリ 穏乃「あ、ああ! うんまぁ、私も悪かったし。別に」 京太郎「そうか? そう言ってくれると助かる」 穏乃「うん。それに恥ずかしかったけど、京太郎になら別に嫌じゃないって言うかブクブクブク……」 京太郎「は?」 穏乃「なんでもない! なんでも///」 京太郎「いや、今……」 穏乃「私逆上せたみたい! 先に上がるね? それじゃ!」 バシャ、タタタタ 京太郎「ちょ、おおい。だから走るなって! ……聞いちゃいねぇ」 一人残された俺は、何の気なしに天を仰ぐ。 京太郎「あー……」 両手で湯船を掬い顔に思いっきり叩きつける。 去っていく穏乃の顔が赤く見えてのは果たして本当に逆上せたからだったのか。 そして俺自身のこの顔の熱さも。 俺の疑問はその答えを得る事無く、熱い水面に落ちて溶けた。 玄「京太郎くん」 京太郎「玄さん?」 玄関で上履きから外履きに履き替えているところへ後ろから声をかけられた。 振り返ると白いワンピースにつば広の帽子を被った玄さんが立っていた。 玄「お出かけ?」 京太郎「はい、少し。玄さんもですか?」 玄「うん。少しお散歩」 京太郎「あ、じゃあそこまで一緒に行きますか?」 玄「お邪魔じゃないかな?」 京太郎「まさか。こちらこそ、お供させていただいてよろしいですか?」 玄「ふふ。うん、よろしくお願いします」 京太郎「あれ? 玄さん、髪……」 後ろに立たれていたときには気付かなかったけど並んで立つことでその事に気付いた。 玄「あ、うん。今日は熱かったから結んでみたんだ。へ、変じゃないかな?」 無茶苦茶可愛いです。この滾る感情を打ち明けたかったがまぁここは紳士・須賀としてね。その名に恥じぬ振る舞いをしようか。 京太郎「無茶苦茶可愛いです!! うなじがチラチラ見えてすごく興奮します!」 あ…… 玄「かわっ!?」 川? 玄「そ、そっかぁ~えへへ、そっか///」テレテレ よし! よし!! なんかわからないけど上手く誤魔化せた。 京太郎「そういえば聞くの忘れてたんですけどいいですか?」 玄「なにかな?」 並んで歩いていた玄さんにスッと一歩歩み寄る。 京太郎「おもちの方はいかがでしたか?」ヒソ 玄「! ふふふさすが我が同志。やはり気になしますか?」ヒソ 京太郎「そりゃあ」 玄「それで誰のおもちが聞きたいのですかな?」 どこか得意気な玄さん。 京太郎「ふむ。いろいろ聞きたいですがじゃあここは渋谷先輩で」 玄「ふんふむ。渋谷さんですか、大きさではやや和ちゃんに負けるけど張り、艶、そして柔らかさも申し分なく」 京太郎「柔らかさ!? 玄さん、あなたまさか……」 玄「触らせていただきました///」ポッ 京太郎「なん……だと……」 玄「ご本人に似てなんともやんごとなき手触りで」 京太郎「羨ましい!?」グギギ 玄(血涙……) 玄「やっぱり触ってみたいのかな? 男の子だし」 京太郎「そりゃ、いや……でも俺、学者タイプだし」 今度こそ紳士・須賀でいきたい。そう願って今を生きる。 京太郎「というわけで、宇宙飛行士タイプの玄さん。その辺りのいろいろはすべてお任せします!」ペッコリン 玄「おまかせあれ!」 そういって胸を張る玄さん。 京太郎「……」 うむ。すばら。 京太郎「それでじゃあ和は……」 玄「和ちゃんは、ガードが固くて……」 京太郎「ダメだったんですね」 玄「うん。タオルできっちり巻いてて、湯船に浸かるときもそれはもう神業の如く脱着も一瞬で」 京太郎「そうですか……」グヌヌ さすが和としか言いようがない。 京太郎「あ、じゃあ弘世先輩は……」 玄「弘世さん、か……」 玄さんが憂いを秘めた遠い眼をしてる。 玄「レギュレーション変更とはかくも恐ろしい」 京太郎「?」 それはまるで要領を得ない説明だった。 京太郎「しかし宥さんも含めてすばらなおもともちな方々揃ってなんともすばらですね! 玄さん」 後、玄さんも。とは口が裂けても言えない。 玄「ん、うん。そうだね」 玄(京太郎くんとおもちの話をするのはすごく楽しいけど、なんだろうおもちの辺りがもちもちする)モヤモヤ 京太郎「どかしました?」 玄「ううん。……京太郎くんはこの後どうするの?」 京太郎「俺ですか? そうですね、このまま街の方まで行ってついでに夕飯の買出しでもしようかなって」 玄「じゃあ荷物持ちとかいた方が良いよね! 私も一緒に行くよ!」 京太郎「そうですか? じゃあお願いします」ペッコリン 玄「こういうのもデートって言うのかな?」ボソ 京太郎「ふぁい? なんか言いました?」 玄「んーん。なんにも」 玄(もしそうなら) ギュウ 京太郎「ちょ!? くくく玄さん!?」 いきなり玄さんが俺の腕に自身腕を絡めてきた。そしてこの肘に当たる柔らかいものは…… 紳士が……! 俺の紳士が……!! 京太郎「な、なんでもないです……」 玄「ふふ、そっか」 玄(久し振りに会えたんだもん。ちょっとくらい大胆になっても良いよね?) 【おまけ】 ドドドドドドドド、バーン!! 京太郎「え? なに? なに事!?」 凄まじいラッシュの後、盛大に戸が開け放たれる。 穏乃「やっほー! 京太郎! 遊びに行こう!」 京太郎「は!? し、穏乃!?」 まるでパパスの様に現れたのは阿知賀女子の大将、高鴨穏乃。ぬおおおお。 突然だが状況を整理しよう。 現在ここは俺の自室(仮)、時間は早朝。そして今さっき起きたばかりの俺はまさに着替えの真っ最中。 しかも今日に限って自分でもなぜかわからないが下から脱ぎだしたので、 上は寝巻き用のTシャツで下は現在パンツ一枚という最悪の絵面でお送りしております。 京太郎「きゃあああああああああああああ!! いやあああああああああああああ!!」 穏乃「あ、ごめん。着替え中だった? って、うわ……京太郎の部屋狭いね」 あれ!? 意外と冷静…… 穏乃「じゃあ終わるまで待ってるね」 京太郎「あの、ちょっと……」 穏乃「ん?」 京太郎「お前、俺の渾身のボケをスルーするのやめてもらえません?」 穏乃「とりあえずズボンはいたら?」 京太郎「大体なんださっきのノック……ノック?」 京太郎「ゴエモンインパクトの殴りこみかと思ったぞ」 穏乃「だってこんないい天気なんだよ! 元気よくいかないと勿体無いよ!」 ガラッ 俺の横を通り過ぎ、閉められていた窓ガラスを盛大に開け放つ。 穏乃「」 ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーーーーーー……………カキーン どこかで七色石が割れる音がした。 穏乃「え!? なにやだっ、怖いっ!?」ゴフ 穏乃「え? 京太郎こんな極限状態みたいな部屋に泊まってるの?」 京太郎「ああ、まぁうん。とりあえず窓から離れとけ」 ガラララ 穏乃「う、うん……後そろそろズボンはいた方がいいよ?」 京太郎「しかしお前、さっきのは無いんじゃないの?」 穏乃「なにが?」 京太郎「仮にも女の子が同年代の男子の着替えをうっかり覗いてしまった」 京太郎「ともすれば恥じらいの一つも見せて然るべきでは無かろうか?」 穏乃「ふ~ん……」 京太郎「こいつ、もしや自分ちに全裸の男とかいても『ふ~ん』で済ますタイプか……?」 穏乃「そんなこと無いよ。誰でもじゃなくて、京太郎だしまぁいっかなって」 京太郎「お、ふっふ~ん。そんな意味深なこといわれるとお兄さんちょっと穿った捉え方をしちゃいますよ」 穏乃「ん? よくわかんないけどズボンはかないの?」 京太郎「だいたいお前さぁ見ろよこの状況。このシャツの丈がもうちょっと長かったらアレだよ?お前とペアルックみたいになっちゃうよ?」 穏乃「ホントだ! 京太郎ジャージとか持ってないの? ペアルックで闊歩しようよ!」 京太郎「バカかお前は! 穏乃でもかなりギリギリのラインなのに俺がそんな格好してたら通行人腰抜かすわ! そんで補導されるわ!」 穏乃「じゃあズボンはけよ!」 京太郎「はいはい。今はきますよ、ちぇっ」 穏乃「なんでなんか私が悪いみたいな空気出してるの?」 京太郎「いやお前は悪いだろ。穏やかなこの朝のこの、……そういえばお前の名前にも「穏」って字が入ってるな」 それでこの性格か。穏やかさの欠片もないな。 京太郎「遊びに行くのはいいが、とりあえず朝飯食ってからな。お前なに食いたいよ?」 穏乃「う~ん……目玉焼き!」 京太郎「おう! 準備してくるから穏乃はみんなを起こしてきてくれ」 穏乃「わかった」タタタタ 元気よく返事をするとそのまま部屋をとび出していった。今のあいつは朝飯のことで頭がいっぱいなのだろう。 京太郎「扱いやすいのは良い事だ」 今日も騒がしい1日になりそうな予感はするが。
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【5月第1週 平日】開始 朝 京太郎「今日こそは誰かと一緒に行くぞ!」 京太郎「お、スキップしながらいけば誰かがはなしかけてくれるんじゃないか?」 京太郎「そうと決まれば実践あるのみだ!」 京太郎「~♪」 ヒソヒソ ナンヤアレ キチガイガキタデー ウワァ 京太郎「白い目で見られた……」 昼食 京太郎「屋上で食べてみるか」 京太郎「空がきれいだなぁ」 バタム! 部員A「どこだっ!」 部員C「どこにいるっ!」 部員B「池田部長から連絡!中庭にターゲットありとのこと!」 部員A「了解!直ちに向かう!」ザッザッ バタム! 京太郎「なんだったんだ今の」 京太郎「放課後は何をしようかな」 京太郎「街に行くか」 京太郎「ゲーセンに行くか、前は楽しめなかったからな」 照「ようやく初めてを捨てられる」 京太郎「そう!今日こそはゲーセン童貞を捨ててやるぜ!って、照!?」 照「イエス、照デェす!」 京太郎「あーはいはい」 照「もう少しノッてくれてもいいんじゃないかな、ゴールドフレイムマスターさん」 京太郎「やめろ!その名を呼ぶな!」ハズカシー 照「ふふっ、やっぱり京は面白いや」 京太郎「で、照はここに何をしにきたんだ?」 照「雀荘に行こうとしたら迷っちゃった」テヘペロ 京太郎「お、おう…じゃあ俺と遊んで行くか!」 照「うん!」 夕 京太郎「公園で少し休むか」 京太郎「公園に来たぞ!おや、あれは」 怜「抜き足差し足忍び足」コソコソ 京太郎「怜さーん!何してるんですかー!」 怜「ちょっ、黙っとれ!」 京太郎「うわ!」ガサガサ トキードコヤートキー 怜「ふう、ようやくいなくなったみたいや。お、ごめんな」 京太郎「後頭部痛いです……」 京太郎「今のは清水谷さんですか?」 怜「せや、竜華は過保護やねん」 京太郎「それで、園城寺さんは何をしているんですか?」 怜「私はアレや、ちょっと休みにな。いや、サボっとるわけやないで、病弱やからな」コホッコホッ 京太郎「はあ、わかりましたよ」 怜「じゃあ膝まく「清水谷さーん!こっちに園城寺さんがいますよー!」 怜「ちょっと待てや!」 竜華「やあ怜、ここで何しとるん?」ニコッ 怜「いやな、これはな、ちゃうねん。ちょっと待ってーや、話合えばわかるはずや、な?」 竜華「はいはい、それじゃあ帰るでー」 怜「須賀くぅん」ウルウル 京太郎「そんな目で見てもだめです、確かに可愛いですけど」 怜「か、かわい?」 竜華「ほな行くでー」 怜「いやああああああ」ズルズル 京太郎「麻雀してないときは元気だな」 京太郎「さて、そろそろ寝ますか」 ヴヴヴ 京太郎「お、メールだ。霞さんからだ、なになに…」 『明日から千里山と2泊3日の合宿を行うので8時に私の家の前に集合ね!』 京太郎「明日!?いきなりすぎるだろ!?」 ヴヴヴ 京太郎「またメールだ、次は…母さんからか」 『調子はどうですか?私は元気です。たまには実家にも顔を出しなさい』 京太郎「実家か…暇があれば帰ってみるのもいいな」 【5月第1週平日】終 【合宿1日目】開始 ピピピピピ 京太郎「ん、もう朝か……ってまだ6時半じゃねえか」 京太郎「もう1回寝よ」 京太郎「おはよーございまーす!」 京太郎「あれ、誰もいないや」 京太郎「しょうがない!俺が起こしに行こう!」 京太郎「よし!霞さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!】デデーン! 京太郎「おはよーございまーす」ヒソヒソ 京太郎「今日は我らが大家、石戸霞さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 霞「う…う……」ネガエリ 京太郎「見ましたか!今のおもち!じつにすばらです!」ヒソヒソ 京太郎「それでは、霞さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それではですね、俺の初めてを捧げて、霞さんを起こしたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「失礼しまーす」 チュッ 霞「ん……」 京太郎(フレンチキスなう) 霞「ん……」パチッ 霞「……」 霞「~~!///」 京太郎「ぷはっ……」 霞「ふぁっ……」 京太郎「ドッキリ、大・成・功!」テッテレー! 霞「…ちょーっと京太郎君?人の家で何をしているのかしら?」ピキピキ 京太郎「須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!をしているだけですが?」つ看板 霞「大成功じゃ、ないわよ!」 京太郎「そっ、そこは……!らめっ!」 デデーン 須賀 OUT 霞「私の初めてだったのに……」グスッ 京太郎「ごめんなさい、もうしません」 霞「ごめんじゃすまないわよ…」 京太郎「ごめんなさい、なんでもしますから!」 霞「もう一人にさせて……」 京太郎「本当にごめんなさい」 京太郎「あれ、まだ誰もいないや」 京太郎「よし!また起こしに行こう!」 京太郎「よし!咏を起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part2】デデーン! 京太郎「おはよーございまーす」ヒソヒソ 京太郎「今度は我らがロリ枠、三尋木咏さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 咏「うーん……もうたべられねーよー」 京太郎「聞きましたか?今の寝言!じつにかわいいですねー」ヒソヒソ 京太郎「それでは、咏を起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは、咏を起こしまーす」 京太郎「えい!」ギュッ 咏「ムグッ…」 京太郎「もう片方も、えい!」 咏「うぅ…」 咏「うう……」パチッ 咏「あえ、ひょうはほうははひひへふふは?」(京太郎はなにしてるんだ?) 京太郎「ドッキリ、大成功!」テッテレー 咏「はへ?」 咏「はんはははっんへぇへほ、ははひへふへはい?」(なんかわっかんねぇけど、放してくれない?) 京太郎「嫌です」ニマァ 咏「~~~~~!」 京太郎「はぁ…はぁ…」アセビッショリ 咏「はぁ…はぁ…」フクミダレ 京太郎「もう、出し切ったぜ…」 咏「先に外にいてくれ」 京太郎「あれれー?まあだ人がきてないぞお?これはしょうがないよね!」 京太郎「」ゾクッ 京太郎「やっぱり行くのやめよーっと(震え声)」 憩「おはよーさーん」 エイスリン「オハヨウ!」 照「おはよう…」ウツラウツラ 咏「おはよー」 霞「おはよう」 京太郎「おはようございます!」 霞「」ツーン 咏「///」カァァ 憩「ねぇ、京太郎君何かしたん?」ヒソヒソ エイスリン「ワカラナイ」ヒソヒソ 【合宿初日 朝】終 【千里山】 京太郎「ここが千里山女子かぁ~」 キャッキャウフフ キマシタワー アッー 京太郎「やっぱり女子高っていいよな!」 照「共学の女の子もいいと思うの」 京太郎「女子高には、共学とはまた違った良さがあるのですよ!」フフン 霞「はぁ…」 エイスリン「カスミ、ゲンキダシテ!」カキカキ エイスリン「ネッ!」バッ |チアガールエイスリンの絵| 霞「ありがとうね…エイスリンちゃん」ナデナデ エイスリン「エヘヘ」 霞「そういえば、千里山の人が私たちを迎えにくるはずなのだけれど…遅いわね」 憩「咏ちゃんは京太郎君となにかあったん?」 咏「いや~朝から少し激しくヤッちゃってねぃ~」 憩「ヤ、ヤッた!?な、何をや!」 咏「何ってそりゃあ…知らんし」ポッ 憩「何…ナニ?京太郎君と咏ちゃんが…?」 憩「いやあああああああ!」 咏(こらえろ、こらえるんだ三尋木咏!)ププッ ?「あのー」 浩子「あのー、アンタら、三箇牧高校の人やろ?」 霞「あら、浩子ちゃんじゃない!」 浩子「石戸さんですか?お久しぶりです」 霞「ということは、浩子ちゃんが私たちを迎えに来たの?」 浩子「そうです。おば…監督に言われたんで」 浩子「それじゃあ皆さんこちらへ」 【宿舎】 浩子「ここがアンタらの泊まる場所や、ちなみに全部1人部屋やで。合宿中はウチらレギュラーメンバーも泊まってます」 京太郎「学校の近くに合宿所なんてあるのか」 憩「名門千里山の名は伊達やないっちゅうことやな」 照「そういえば、風呂ってどうなっているんですか?」 浩子(チャンピオンが大阪に来たって噂は本当やったんか…) 浩子「そこの男子には我慢…なんてことはしたくないんで、予め入浴時間を決めておきました」 浩子「朝食と夕食はここの食堂で食べられますが、昼食は適当に自分らで食べてください」 浩子「説明は以上ですね、質問はありますか?」 浩子「無ければ自分の部屋に荷物を置いてきてください、部室に案内しますので」 【部室】 浩子「ここが我が麻雀部の部室です」 憩「わぁ、広いなー」 咏「うわ、この部屋の卓全部全自動卓なのかよ…」 エイスリン「スゴイ!」キラキラ 雅枝「おお、石戸もう来とったんか」 霞「お久しぶりです、監督」 雅枝「なんや、顔色悪いなあ、なんかあったん?」 霞「いえ、大丈夫ですよ!」 ~部員の自己紹介とかはキンクリ~ 霞「これでこちらの部員は全員です」 雅枝「ほなまずはお互い2VS2で打ってもらおうか」 京太郎「さて、俺は誰と打とうかな」 怜「須賀君、打つ相手いないん?」 京太郎「はい、そうなんですよ」 怜「じゃあ私と一緒に打たへん?昨日の恨みはらしたるわ」 憩「えーなになに?京太郎君は怜ちゃんと打つん?ならウチも入れてー」 船Q「それならウチもいいですか?」 怜「お、これで4人揃ったな。ほな始めよか」 開局 浩子(この金髪男…気になりますね、少し様子を見てみますか) 【分析】発動! 浩子(張っているようですから、このへん) 京太郎「それです、ロン!12000」 浩子(ふむふむ) 東2局 船Q 13000 親 怜 25000 京太郎 37000 憩 25000 全員ノーテンのため、流局 東3局 船Q 13000 怜 25000 親 京太郎 37000 憩 25000 京太郎(なんだ…船久保さんに何か手を封じられてる気がする…) 憩(さて…と) 【孔穿つ閃光】発動! 怜(憩は…張ったか) 怜「よし…」キィィィン 【先読み】発動! 倍満→5200 憩「お、それロンや、5200よろしくな」 東4局 船Q 13000 怜 25000 京太郎 31800 親 憩 30200 全員ノーテンのため、流局 京太郎(どんどん聴牌から遠ざかっていっている気がする…) 怜(聴牌できへんなー) 浩子(いいデータが取れました) 憩(親なのにぁ) 終局 1位 京太郎 31800 2位 憩 30200 3位 怜 25000 4位 船Q 13000 京太郎「おつかれさまでしたー」グデー 怜「おつかれやー」グダー 憩「なんや、そうやっとると二人ともなんか似とるなぁ」 浩子「おつかれさまでした。須賀君といいましたか…中々面白いですね」 京太郎「昼飯でも食べに行くか」 京太郎「来る途中にそば屋があったからそこに行くか」 憩「京太郎君どこ行くんー?」 京太郎「昼飯を食べにそば屋に行こうかと」 憩「じゃあウチもついて行っていい?」 京太郎「もちろんですよ、それじゃあいきましょうか」 メニュー アカマムシそば 激辛そば 千里山そば Vやねん!姫松!そば 桜そば 全て800円均一 京太郎「憩さんは何を頼むんですか?」 憩「んー、ウチは激辛そばやな」 京太郎「辛いもの好きなんですか?」 憩「極端な味のものは全部好きやで」 憩「で、京太郎君は何にするん?」 京太郎「この、Vやねん!姫松!そばっていうのが気になるんで、これにします」 オマタセシマシター 京太郎「うわ、なんだこれ…赤い麺、黒い麺、青い麺、紫色の麺、金色の麺」 憩「うわ…すごいなそれ。リボンみたいなえび天に、なんかクルクルしとる天ぷらに、おもちに、これは…ハンバーグ?なんでこんなんが乗っとるんや……」 京太郎「……覚悟を決めますか」ズルズルッ 憩「どうなんや?」 京太郎「……」 京太郎「おいしい!」テーレッテレー 京太郎「なんかよくわからないですけど、おいしいですよこれ!」ズルズルッ 憩「そ、そうなんか…」 京太郎「ボリュームもたっぷりだったし満足満足!」 京太郎「昼は何をしよう」 京太郎「特訓をしよう!」 京太郎「ヘイ、テルー!」 照「ナニカヨウデスカー?キョウ!」 京太郎「ミートトックンシーマセンカー?」 照「オーイイデスネー」 照京「「HAHAHAHA!!」」 京太郎「ハァハァ」 照「オヤー、コンナトコロデオワリデスカー?」ギュルギュル 京太郎「ノリが疲れる…」 照「ダイジョーブソウナノデマダマダイッキマース!」ギュルンッ 京太郎「」チーン 照「科学ノ発展ニ犠牲ハツキモノデース」 京太郎「夕方は何をしよう」 京太郎「霞さんと話そう」 【部室】 京太郎「あれ、霞さんはいないんですか?」 咏「また1人にしてくれって言って宿舎に戻っていったぜぃ~」 京太郎「わかった、ありがとう」 【宿舎】 京太郎「霞さんの部屋は…ここか」 京太郎「霞さーん」コンコン シーン 京太郎「入りますよー」ガチャ 京太郎「霞さ…」 霞「すぅ……すぅ…」 京太郎「寝ているのか…どうしよう」 京太郎「ドッキ…いや、起きるまで待とう」 霞「すぅ…」 霞「ん……」 霞「あれ…京太郎君、どうしたの?」 京太郎「謝りに…来ました」 霞「あや、まりに…?」 京太郎「はい」 京太郎「霞さんの、いえ女性の大事な物を奪ってしまって申し訳ありませんでした」ドゲザー 京太郎「部員が4人集まって、霞さんも顧問になってくれて…」 京太郎「初めての合宿で、俺…興奮して夜も眠れなかったんです」 京太郎「だから!」 京太郎「すいません、テンション上がってて調子に乗ってました!」 京太郎「霞さんの気持ちも考えないで、悪ふざけでキスなんかして本当にすみません」 京太郎「嫌だったでしょう?好きでもない男にキスされて」 京太郎「本当にすいませんでした…」 霞「…じゃないわよ」 京太郎「え?」 霞「嫌じゃないわよ…京太郎君だったんだもの」ボソッ 霞「よし、それじゃあ京太郎君が私に誠意を見せてくれたら」 霞「お互いにこのことは忘れる、ということにしましょう!」 京太郎「ありがとうございます!」 霞「それじゃあ京太郎君には」 霞「私に1日料理を振る舞いなさい。合宿が終わった後で」 京太郎「それで、いいんですか?」 霞「いい、とは言ってもまた同じことを別の人にしたら許さないからね!」 京太郎「はい!」 京太郎「許してもらえてよかったな」 京太郎「さて、次は何をしよう」 夜 京太郎「また照と特訓しよーっと」 照「なに、また特訓?」 京太郎「おう!早く照に追いつきたいからな」 照「もう、京ったら」ポッ 照「いっくよー!ギュルギュルじゃんけん!じゃんけん」ギュルギュルギュル 照「グー!」ギュルギュルギュルギュルギュルギュル 京太郎「ちょっと待ってくださいよー!」 ドゴーン 京太郎「これが…これが貴様の力…か……」マッシロ ―――――――――――― 京太郎「風呂の時間だ!」 京太郎「だがしかし一人風呂か…」シュン カポーン 京太郎「露天風呂まであるのか、たまげたなぁ」 京太郎「よっと」 京太郎「ああ~癒される~」 ガララッ 京太郎「え?」 憩「お、露天風呂まであるんか、こりゃええわ」 京太郎(こ、この声は憩さんか?なんでここにいるんだ)イワカゲニカクレ 憩「貸切や!泳ぐでー!」タオルバサッ 京太郎(おいおいウソだろ) 憩「いい湯や~」ヒラオヨギ 京太郎(見つかりませんように!) 京太郎「あ」 憩「え」 憩「はえ?」 憩「な…なんでここにおるん?」 京太郎「今は俺の入浴時間ですからね」 憩「え、あれ?」 京太郎「そんなことより早く隠してください、際どいんで」メソラシー 憩「え?……~~~~~!」カァァァ 憩「」ササッ 憩「」タオルソウチャク 憩「…見た?」 京太郎「ギリギリ見えてないのでご安心を…(震え声)」 憩「そ、そうか……ならよかったわ」ハハハ 京太郎(少し先っぽが見えていたのは黙っておこう…) 京太郎「さて、深夜だ!」 京太郎「なにをしよう!」 京太郎「憩さんとお菓子を食べよう!」 京太郎「何を持っていこうかな」 京太郎「ポッキーを持っていこう」 京太郎「あっらかわさーん、あっそびましょ!」 憩「う!京太郎君!」 京太郎「そんな身構えないでくださいよ、俺を信じてください。友好の証に、これを」つポッキー 憩「おお!ポッキーや!」バッ 京太郎「させるか」パッ 憩「うぅ…なんでそんなことするんや!早く頂戴!」ピョンピョン 京太郎(そ、そんな薄着で跳ねられたら…見えてしまうじゃないか…)ゴクリ 京太郎「それじゃあまずは部屋にあげてもらいましょうか」 憩「んー、麻雀が上手くなる方法かー」ポリポリ 京太郎「はい、どうやったら上手くなれるかなーって」 憩「緊張しないことやないのかな、緊張しないで昔、初めて麻雀をしたときのことを思い出しながら打つ」 憩「そんなことをしとったらウチは上手くなっとったな」 京太郎「初めて打ったときの感情……」 京太郎「緊張しない……ですか」 京太郎「なんだかわかったような気がします!ありがとうございました!」 【合宿1日目】 終 【合宿2日目】 京太郎「ふぁぁぁ」 京太郎「さて、と朝食は何時からだったっけ」 京太郎「8時からか…今は…7時か」 京太郎「よし、みんなを起こしに行こう!」 京太郎「よし!船久保さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part3】デデーン! 京太郎「おはよーございまーす」ヒソヒソ 京太郎「今日は!千里山の参謀、船久保浩子さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 船久保「どうや…ウチがいちばんや…」ドヤァ 京太郎「今のドヤ顔、じつにすばらです」ヒソヒソ 京太郎「それでは、船久保さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それではですね、千里山の監督の真似で、船久保さんを起こしたいと思いまーす」 京太郎「あーあーっー」ウラゴエ 京太郎「よしっ」ヒサカワヴォイス 京太郎「起きろー浩子、起きんとどうなるかわかっとるやろな?」 浩子「ん……」 浩子「…ん、あと5分待って…おばちゃ……須賀君?」 京太郎「ドッキリ!大成功!」テッテレー 京太郎「どうでしたか、ドッキリの感想は?」 浩子「そうですね、須賀君の物まねがなかなか上手でしたね…って」 浩子「勝手に人の部屋に入るなー!」ウガー 京太郎「次は誰を起こそう」 京太郎「よし!エイスリンさんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part4】デデーン! 京太郎「今回は!我らが大天使、エイスリン・ウィッシュアートさんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ エイスリン「ン…モウニガクテノミコメナイよ…」Zzz 京太郎「どうですか、この笑顔!まさに大天使、すばらです!」ヒソヒソ 京太郎「それでは、エイスリンさんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは、エイスリンさんを起こしまーす」 京太郎「えい!」ツンツン エイスリン「ンッ…」 京太郎「もう片方も、えい!」ツンツン エイスリン「アッ…」 エイスリン「エヘヘ…モットヤサシク……」Zzz 京太郎「どうやら、まだ起きないようです!それでは次に行きましょう!」ヒソヒソ ツンツン 京太郎「次は、前世での出会いと、未来の君を思いながら、この言葉にありったけの魔翌力を込めてエイスリンさんを起こしたいと思います!」ヒソヒソ 京太郎「Love you forever」ボソッ エイスリン「ン…」 エイスリンは起きるか、判定 コンマ 126 エイスリン「ン……」パチッ エイスリン「スガクン…?」 エイスリン「Love you forever?」 エイスリン「?」 京太郎「忘れてくださいお願いします」 京太郎「と、いうことで、ドッキリ大成功!」テッテレー エイスリン「ネエネエ、スガクン」ツンツン 京太郎「はい?」 エイスリン「D…Do you love me forever?」カァァ 京太郎「Yes?」 エイ京「……」 エイスリン「///」カァァ 京太郎「///」カァァ 京太郎「さぁて次のターゲットはぁ?」 京太郎「よし!照を起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part5】デデーン! 京太郎「今回は!我らがエース、宮永照さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 照「ん……」ギュルギュル 京太郎「ノーコメントで」ヒソヒソ 京太郎「それでは、照を起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それではですね、咲の真似で、照を起こしたいと思いまーす」 京太郎「あーあーっー」ウラゴエ 京太郎「よしっ」ウエダヴォイス 京太郎「お姉ちゃん起きて!起きないと遅刻しちゃうよ!」ウエダヴォイス 照「……」 照「……」 照「おい…貴様がなぜここにいる?」ギュルッ 京太郎「い、いやぁ…ドッキリですよ!ドッキリ!ほら、ドッキリ大成功!」 照「……なんだ、京か」ギュルゥゥゥ 京太郎(なんだったんだ今の……) 【食堂】 京太郎「んー、どこに座ろうかな」 ?「席が無いんなら、ここいいですよ」 京太郎「あ、ありがとうございます」 ?「困ったときはお互いさまです、私もよく座るところがないこととかあるんですよ」ハハハ 京太郎「奇遇ですね、俺もあまり座れなかったり、皆からはぐれちゃったりするんですよね」 ?「私もよくありますよ!いや~三箇牧にも同志がいるとは思わなかったです」 京太郎「えーと、あなたの名前は確か……」 ?「二条泉です、君は須賀京太郎君やろ?」 京太郎「覚えててくれたんですか?あんな噛みまくりの自己紹介だったのに」 泉「だからこそ、ですね。それと敬語はやめますか、私ら同学年ですし」 京太郎「そうだな、うんこっちの方が喋りやすいや」 泉「じゃあ今日一日頑張っていくで!」 京太郎「おう!」 京太郎「朝は何をしよう」 京太郎「今日も特訓特訓!」 京太郎「お、咏!一緒に特訓しようぜ!」 咏「お、いいねぃ~」 咏「じゃ、ま始めよっか」 咏「でさ、ここでこうすると」 京太郎「おお!」 咏「こうなって、こうすると」 京太郎「おおおお!!!」 咏(何だこれ……) 京太郎「昼飯を食べに行こう」 京太郎「昼はどこに行こうかな」 竜華「お、須賀君やん!ウチと昼食べに行かへん?」 京太郎「お、いいですね!行きましょう行きましょう!」 竜華「そうと決まればレッツラゴーやで!」 【カレー屋】 竜華「ついたでー」 京太郎「ここが清水谷さんのオススメのカレー屋ですか」 竜華「せや、ここはカレーは勿論ナンも格別の美味しさなんやで!」 竜華「須賀君には一昨日助けてもらったからお姉さんが奢ったるわ!」 メニュー 赤まむしカレー 激辛カレー 千里山カレー 桜カレー 商品は全て800円均一 京太郎「じゃあ千里山カレーで」 竜華「ウチはいつも通り赤まむしカレーやな」 京太郎「そんなもの食べられるんですか……」 竜華「中々いけるもんやで」 オマタセシマシター 竜華「ほら、来たでー美味しそうやなー」 京太郎「ナンから凄くいい匂いがしますね」 竜華「ナンはなー、一口目はまずこうすんねん」ハムッ 京太郎(何この小動物的な可愛さ) 竜華「須賀君もやってみーや!」 京太郎「はい、いただきまーす」ハムッ 京太郎「確かにおいしいですね、このナン」 竜華「せやろ、それでな……ほれアーン」つナン 京太郎「それ、竜華さんがかじったナンですけど、いいんですか?食べちゃって」 竜華「食わず嫌いはするもんやないで、ほれ」 京太郎「そういう意味じゃ…」パクッ 京太郎「これは……おいしい!」 竜華「せやろー、おいしいやろー!」 京太郎「……でもこれって間接キスですよね、本当に良かったんですか?」 竜華「ふぇ?」 竜華「ちゃうちゃう!そんな意味はないねん!忘れてや!」アセアセ 京太郎「考えておきますよ」ハハハ 京竜「「ごちそうさまでした」」 竜華「さてと、じゃあ須賀君は先に戻っててええで、ウチが払うから」 京太郎「いや、いいですよ。自分の分は自分で払います」 竜華「え?でも……」 京太郎「俺は望んで清水谷さんを助けてたんですから、お礼なんていらないですよ」ニコッ 竜華「そ、そうなん……///」 京太郎「カレーおいしかったな」 京太郎「昼は何をしよう」 京太郎「憩さん、特訓しませんか?」 憩「お、ええなそれ。少し待っててな」タン 憩「よし、ほな始めよか」 憩「それで、この1筒をこうしてな」ピキーン 京太郎「憩さんの後ろに宇宙が見える…!」 京太郎「それじゃあ俺もこの1索を」ピキーン 憩「なんも見えへんな」 京太郎「夕方はなにをしようかなー」 京太郎「引き続き憩さんと特訓を続けるぞ!」 憩「どんと来なさい!」 京太郎「え、これを着るんですか?」 憩「特訓といったらユニフォーム、ユニフォームといったら衣装、衣装といったら…」 憩「これに決まっとるやろ!」 憩「ナース服~」ダミゴエ 京太郎「そんなの着ませんからね!」 憩「ええ~そんな~」 京太郎「夜はなにをしようかなー」 京太郎「次は誰と特訓しようかなー」 竜華「お、須賀君やん、何してるん?」 京太郎「あ、竜華さん、俺と特訓してください!」 竜華「ええでー」 竜華「でな、そんときに怜がな!」キャー 京太郎「そ、そうなんですか」 竜華「ほんでな、ほんでな…!」 京太郎(麻雀の特訓をしていたのに…どうしてこうなった……) 京太郎「ヒャッハー!風呂の時間だあああああ!」 京太郎「誰が来るかな!誰が来るかな!」 【脱衣所】 ワイワイガヤガヤ 京太郎「浴場が騒がしいな…あれ、これってまずいんじゃ」 千里山A「キャー!覗きよー!」 千里山B「この千里山の浴場に忍び込むとは!」 京太郎「逃げよ」タッタッ 千里山C「逃げたぞ!追えー!」 千里山D「イエス、マム!」 ドタドタ 京太郎「ふぅ…なんとか逃げ切ったぜ」 霞「あら」ゴゴゴゴ 雅枝「何から」ピキッ 浩子「逃げ切った」ジトー 照「のでしょうねぇ…」ギュルギュル 京太郎(あ、これ終わったな) 京太郎「……」マッシロ 深夜 京太郎「園城寺さんとお菓子を食べよう!」 京太郎「何を持っていこうかな」 京太郎「ポッキーと、プリンとかりんとうを持っていこう!」 京太郎「園城寺!トキィ!我は貴様に会いに来た!」カッ 怜「なんや須賀君」 京太郎「あれ、ノらないんですか」 怜「ノリに合わせるのは疲れるんや…ほら、うち病弱やし」コホコホ 京太郎「まあそれは置いといて、お菓子を持ってきたんで、夜を語り明かしましょう!」 怜「お、これ焼きプリンやんおいしそうやなぁ」 京太郎「一口いります?」 怜「ほな、もらおうかな」アーン 京太郎「はい」 怜「おいしいわぁ」パァァ 京太郎「俺もこの焼きプリン好きなんですよね」 怜「ええ味出とるよな」 京太郎「いい味といえば、園城寺さんのリーチ一発すごいですね!」 京太郎「以前雀荘でやったときのあの一発率!」 京太郎「凄かったですよ!どうやったらできるんですか?」 怜「んー、あれは…偶然や、偶然」 京太郎「そうなんですか、でも、そうだとしてもやっぱり凄いですよ!」 怜「そう言われるとなんか照れるな」エヘヘ 怜「せや、せっかくやし麻雀教えよか」 京太郎「お願いします!園城寺先生!」 怜「怜でええで、私も須賀君のこと京太郎君って呼ぶし」 京太郎「え、いいんですか?」 怜「京太郎君か…そうすると憩と呼び方が被ってまうから」ブツブツ 怜「京くんでええか」 怜「それじゃあ京くん仕切り直してもう一回!」 京太郎「お願いします!怜先生!」 【合宿2日目】 終 【合宿3日目】 京太郎「ふっふっふ」 京太郎「あー今日も早起きしちゃったなー」ボウヨミ 京太郎「早く起きすぎて暇だなー」ボウヨミ 京太郎「そうだ、みんなを起こしに行こう!」 京太郎「よし!清水谷さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part6】デデーン! 京太郎「今回は!千里山の部長、清水谷竜華さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 竜華「ん……」モゾモゾ 京太郎「霞さんほどではないにしろ、大変すばらなおもちです!」ヒソヒソ 京太郎「それでは、清水谷さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「髪の毛を梳きながら起こしたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは、失礼しまーす」サッー 竜華「すぅ……」モゾモゾ 京太郎「おはようございまーす」ヒソヒソ 竜華「んっ…」 竜華「怜ぃ…そんなとこイジったらアカンて……」モゾモゾ 京太郎「まだ起きないようです!それでは次の作戦です!」ヒソヒソ 京太郎「次はこちら!」ヒソヒソ 京太郎「当方で用意いたしました、特選豆を使用したこのモーニングコーヒーを」ヒソヒソ 京太郎「清水谷さんにぶっかけたいと思いまーす」ヒソヒソ 竜華「ちょっと……外に出さんでよかったんに……」 京太郎「それではいきまーす」 京太郎「3」 京太郎「2」 京太郎「1」 京太郎(あ、これコーヒーじゃなくて北海道産の特選飲むヨーグルトじゃん) 竜華「あれ、須賀君?」 京太郎「あれ、起きちゃった」 京太郎「しまった!手が滑った!」バシャ 竜華「なんやこれ…ヨーグルト……?」 京太郎(なんだこのすばらな光景は……ヨーグルトが清水谷さんの身体全体にかかっている…これじゃまるで…おっといかんいかん) 竜華「……」 京太郎「ドッキリ大成功!」 竜華「なにするんや!須賀君のアホー!」 京太郎「ほら!この看板見て!これドッキリですから!」 竜華「うるさいわぁ~!」ポカポカ 京太郎「334回くらい土下座したら許してもらえた…」 京太郎「清水谷さん少し怒ってたな…」 京太郎「まあ続けますけど」 京太郎「よし!憩さんを起こしにいこう!」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part7】デデーン! 京太郎「今回は!我らが部長、荒川憩さんに、寝起きドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 憩「そ…そんな…だめですよ……こんなところで…」 京太郎「俺、なんだか興奮します!」ヒソヒソ 京太郎「それでは、憩さんを起こしまーす」ヒソヒソ 京太郎「それではまずはマウントポジションを取って…」 京太郎「やっばい、おっきしてきた…」 京太郎「おっきしろーっ」ユッサユッサ サワサワ 憩「うぅぅ…」 憩「うぅぅ……あまり焦らさんといてくださいよ……」 京太郎「おっと、まだ起きない!」 京太郎「次はこちら!」 京太郎「次は、当方が用意した、ナース服を着て憩さんを起こしまーす」 ―着替え中― 京子「さて、着替えてきましたっ☆」ウラゴエ 京子「それでは、また憩さんを起こしまーす」ウラゴエ 京子「おはよーございますっ☆」 憩「うーん……」 憩「うーん……」パチッ 憩「あれ…誰?」 京子「須賀京子ですっ☆」キュルンッ 憩「誰やねん…」ゲシッ 京太郎「すねはやめてくださいって、うわわわ」 ドンガラガッシャーン 京太郎「……何がどうしてこうなった…」モフモフ |京太郎、憩ちゃんを押し倒しその胸にダイブするの図| 憩「くっ、くすぐったいからあんま喋らんといて///」 京太郎「そんなこといわれても」モフモフ 憩「だ、だから…やめてや……///」 京太郎(この少しとがったところは…)カオズラシ 京太郎「まさか…ね」ツマンデモフモフ 憩「あっ……」 京太郎「あれ、憩さん?」 憩「はぁ…はぁ……」パタッ 京太郎「また寝ちゃったみたいだけど、どうしようか」モフモフ 京太郎「俺も寝よ」 ―――――――――――― 憩「ん……京太郎君?」 憩「なんか変なことされた気がするけど…まあええか」 京太郎「…やめろ…俺は……ノンケなんだ…」Zzz 憩「可愛い寝顔やな」ナデナデ 京太郎「きもちいいですよ……ハギ……さん…」Zzz 憩「なんか、幸せな気分や」ナデナデ 憩「そういえば……」 憩「なんでナース服なんや…?」 京太郎「朝食を食べに来たぞ!」セイフク! 京太郎「清水谷さん、前いいですか?」 竜華「あーええよー」 京太郎「さっきは本当にすみませんでした」 竜華「ええってええって、朝風呂入れて気持ちよかったし」 京太郎(清水谷さん…風呂…おもち) 京太郎「うっ、股間が!」 竜華「どうかしたん?」 京太郎「いえ、どうにも!」 竜華「それじゃあ今日も頑張っていこかー!」 京太郎「はい!」 京太郎「いよいよ最終日だ!」 京太郎「朝は何をしよう」 京太郎「雑用をしよう!」 京太郎「昼食を作りにいくか」 【食堂】 京太郎「こんにちはー」 咏「お、京太郎じゃ~ん、どうしたの?」 京太郎「咏か、昼食作りの手伝いに来たんだけど…作る人ってお前なのか?」 咏「なんだよ、私がしちゃ悪いのかよ…」 京太郎「いや、意外だなーって」 咏「いいよ、もう知らんし」プイー 京太郎「おお、なんだこの味噌汁!うめえ!うめえよ!」 咏「だろ!だろ!この天才料理人三尋木咏ちゃんに任せればこんなもんお茶の子さいさいだぜぃ!しらんけど」ドヤァ 京太郎「ほんとにうめえよ、この味噌汁、毎日飲みたいぜ!」 咏「ま、毎日ってそんな……///」 京太郎「次は何をしよう」 京太郎「牌譜の整理をしよう」 京太郎「おお、こんなにたくさんあるのか、流石は名門」 京太郎「合宿中の対局の牌譜もあるな」 泉「あれ?須賀君ですか?」 京太郎「二条か、お前も牌譜の整理に来たのか」 泉「はい、須賀君もですか?」 京太郎「おう、じゃあ始めようぜ」 京太郎「へー、みんな面白い打ち方するんだな」 泉「ちょっと須賀君、ちゃんと手伝ってよ」 京太郎「ふっふっふ、見ろこの整理整頓された牌譜を!!!」 泉「す、すごい!こんなに速く、そしてきれいにする人、見た事ない!」 京太郎「これからは雑用マスター京太郎と呼びなさい!」 泉「ははっー」 京泉「なんだこれ…」 泉「ふう…これで全部ですか?」 京太郎「そうみたいだな、それじゃあ戻るか」 泉「はい!」 京太郎「昼食はどこで食べようかな」 京太郎「エイスリンさん、どこかに食べに行きません?」 エイスリン「イクイク!」 京太郎「行きたいところとかあります?」 エイスリン「ウーン」カキカキ エイスリン「ココ!」バッ |驚いているドンキーコングの絵| 京太郎「これは…ドンキーコング…?」 竜華「エイちゃんはびっくり鈍器ーに行きたいんか?」 エイスリン「リューカ、セイカイ!」 京太郎「あれ、二人とも知り合いなんですか?」 竜華「何回か打ったしな」 エイスリン「リューカ、ツヨイ!」 竜華「そういうエイちゃんも強いやないかー」ウリウリ 京太郎「微笑ましい光景だ…」 京太郎「じゃあ行きましょうか」 【びっくり鈍器ー】 京太郎「店名に違和感があるんだが…」 竜華「ほな、入ってくでー」 竜華「あ」 雅枝「お」 竜華「なんで監督がここに…?」 雅枝「そう身構えなくてええって、その2人は三箇牧の生徒か」 京太郎「須賀です!」 エイスリン「Aislinnデス!」 雅枝「わかっとるわかっとる、みんなで食おかー」 メニュー アカマムシハンバーグ 激辛ハンバーグ 千里山ハンバーグ Vやねん!姫松!ハンバーグ 桜ハンバーグ 全て1000円均一 京太郎「うーん…」 竜華「せやな…」 エイスリン「ウムム…」 雅枝「ふむふむ…」 京太郎「俺は桜ハンバーグで」 竜華「ウチはアカマムシハンバーグで」 エイスリン「コレ!」 京太郎「千里山ハンバーグですか」 雅枝「私はVやねん!姫松!ハンバーグや」 竜華「監督はホンマに姫松好きですね」 雅枝「まあ愛娘2人がいるところやからな」 京太郎「えー愛宕監督ってお子さんがいるんですかー?」ボウヨミ 竜華「そんな若くは見えないよねー」ボウヨミ エイスリン「!」コクッコクッ 雅枝「そんな褒めたってなんも出えへんよ~」 京竜エイ「チッ」 京太郎「船久保さん!特訓をしましょう!」 浩子「須賀君?どうしたんです、急に」 京太郎「朝、牌譜の整理をしていたら船久保さんの打ち筋を見かけましてね、船久保さんが対戦相手を完全に把握しているように思えるんですよね」 京太郎「この通りです!お願いします!」 浩子「わかりましたよ」 浩子「たとえば、須賀君の場合、こうすることが多いので」 浩子「こうすると」 京太郎「振り込んじゃいますね」 浩子「とりあえずはこんな感じですね」 京太郎「なるほど、ありがとうございました」 京太郎「夕方は何をしよう」 京太郎「照と特訓しよう!」 京太郎「照!特訓するぞ!ついてこい!」 照「ちょっと、いきなりすぎない!?」 照「さてと、今日はなにする?」 京太郎「今までのおさらいをしようじゃねえか!」 照「ワッカッリマーシタ」 照「ソレデハ、ハジメマショウ!テルテルじゃんけん」ギュルギュル 照「パー」ギュルギュルギュルルル 京太郎「チョキだ!」 ドカーン 照「京…成長したね…」ハァハァ 京太郎「照もな…」ゼェゼェ 京太郎「夜はナニをしよう」 京太郎「まだ続けるぜ!」 照「わかった、それなら私も本気を出そう」ギュルッ 照「それでは、参る!」 京太郎「上等だ!」 照「ぐはぁっ…」 京太郎「はっはっはー!俺は照に勝ったぞー!」 照「やったね、京…これが、私の力…だよ」ガクッ 京太郎「照ーー!」
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全国会場 京太郎「咲のやつったら相変わらずすぐ迷子になるんだからなぁ」キョロキョロ 菫「やれやれ、全くあいつと来たら……」キョロキョロ ドンッ 京菫「わっ!」ドサッ 京太郎「す、すみません!大丈夫ですか!」 菫「いや、私こそすまない……不注意だった」 京太郎「とにかく立ってください」スッ 菫「ん……ああ、すまない。ありがとう」グッ 京太郎「いえいえ。……あれ、その制服って……もしかして白糸台の方ですか?」 菫「いかにもそうだが……それが何か?」 京太郎「やっぱりそうでしたか。いや、知り合いの姉がそちらの麻雀部におりましてですね」 菫「はぁ……名前は?」 京太郎「宮永照さんです」 菫「へぇ、みや……なが!?」 菫「あいつ、やっぱりいたんじゃないか妹……」 京太郎「お友達なんですか?」 菫「お友達も何も、私の親友だよ照は」 菫「ああそうか、自己紹介していなかったな。私は弘世菫、白糸台の部長を務めさせてもらっている」 京太郎「部長!?そういえばどこかで見たことがあると思ったら……」 菫「そんなに畏まられても困るけどな。君は?」 京太郎「あ……はい。俺は長野が清澄高校の1年で須賀京太郎と言います」 京太郎「ところで、"やっぱり"というのは、妹の……咲の事を耳にした事はあるんですか?」 菫「一度だけだがな。なにぶんあいつ自身が過去の事を話したがらないから」 京太郎「そう……なんですか。……やっぱり、嫌ってらっしゃるんでしょうか?」 菫「照が、その咲ちゃんの事をか?……そんな風には見えなかったけどな」 京太郎「え?」 菫「確かにその話を聞いた事はそうないが、どちらかというとあいつの顔は憂えげというか、悲しみを押し殺したような表情だったと思う」 菫「だから、明確に嫌っているというような事は決してないと思う。私の見立てが正しければだがな」 京太郎「……いえ、信じますよ。あの『シャープシューター』の言う事でしたら」 菫「そ、そうか……改めて面と向かって言われるとこそばゆいな、その異名は」 京太郎「かっこいい二つ名だと思いますけどね。……あ、女の方にかっこいいなんて失礼ですよね」 菫「……気にしないでいい。言われ慣れてることだよ」フッ 京太郎「……」 菫「どうかしたか?」 京太郎「い、いえ!(かわいいです、なんて言ったら不審者極まりないよな)」 京太郎「それにしても、偶然とはいえ咲のお姉さんの事を知っている方と会えて嬉しいです」 菫「私も照の妹の話は興味深かったが……君の方は時間は大丈夫なのか」 京太郎「あ……えーと、咲のやつが迷子で探しに来てるところだったんですけど」 菫「……そういう所は姉妹そっくりなんだな」 京太郎「……というと、菫さんも照さんを探しに?」 菫「率直に言うとそう言う事だ」 京太郎「す、すいません!こんなに時間を取ってしまって」 菫「気にしなくていい。どの道ここで待つつもりだったんだ」 京太郎「ここでって、このメインホールでですか?」 菫「ああ。どうせその辺うろうろしているにしても、下手に探し回るよりも収束点で待ち受けた方が確実だろう」 京太郎「それはそうかもしれませんが」 菫「それに、どちらかというと私としてはそっちが方便だったからな。後輩達にも探してもらっているし」 京太郎「方便って……何か嫌な事でもあったんですか?」 菫「次に戦う事になるかもしれない君に言う事でもないだろうが……正直、落ち込んでいてな」 京太郎「……阿知賀の次峰の方に一杯食わされた事がですか?」 菫「ああ、あれはまさしく予想外だっ……なっ!?」 菫「なんで君がその事を!?」 京太郎「俺、試合なくて暇なんでせめて観るだけでもと思って観戦だけは欠かさず行ってるんですよ。それだけの事です」 菫「……なんでわざわざ私に確認を取るような事を」 京太郎「うち(清澄)が二匹目のドジョウを取れるとも思えませんしね。実際染谷先輩もそう踏んでいますし」 京太郎「だったら無駄に希望を持つような事は取っ払っておこうと思っただけです」 菫「……」 スタスタ 照「……菫」 菫「照!……やっぱりお菓子か」 照「うん。……そこの人は?」 京太郎「……初めまして、宮永さん。俺は、"咲"の友達です」 照「……!そう」 照「……それで?」 京太郎「咲と、話してやってくれませんか」 照「……」 京太郎「咲は、そのためにここまで来たんですから」 照「……」 菫「照……」 照「……どうして?」 京太郎「え?」 照「どうしてそうも会わせたがるの?」 京太郎「……菫さんから、少しだけ話を聞きました」 照「……!菫、おしゃべり」 菫「……すまない。言い訳はしない」 京太郎「それで……照さんがもし『咲にもう麻雀をさせたくなかった』という心づもりだったのなら、俺にも責任の一端はありますから」 照「……」 菫「照、私からも頼む」 照「菫……?」 菫「お前の心情の手前遠慮していたが、やはり話す機会があるのならどういう形にせよけじめはつけるべきだと思う」 京太郎「菫さん……」 照「……」 照「……わかった。でも、今は無理」 京太郎「と、言いますと」 照「咲が私に挑んでくるのなら、私情はなしで全力でぶつかりたい。その後でなら」 京太郎「つまり……個人戦の後、ってことですか?」 照「うん」 京太郎「あ……ありがとうございます!」ペコリ 菫「……よかったな、須賀君」 京太郎「菫さんこそ、ありがとうございます」ペコリ 菫「どういたしまして」ペコリ 照「……」 照「……なんか、仲いいね二人」 京太郎「え?」 菫「ん?」 照「……なんでもない。じゃ、咲に見つかる前に帰るね」 菫「そういうわけだ。……須賀君」 京太郎「はい?」 菫「染谷と言ったか。よろしく伝えておいてくれ」 京太郎「強いですよ、うちの副部長は」 菫「ふっ……上等だ」 京太郎「あっ、そうだ。菫さん」 菫「何だ?」クルッ 京太郎「俺は菫さんの事、かっこいいともかわいいとも思いますよ」 菫「か、かわ……はぁ!?」 京太郎「それじゃ!!」ダッ 菫「ちょ、待っ……!」 菫「……言い逃げとは、存外汚い男だな……須賀京太郎」 京太郎「はぁ、はぁ……つい言っちまったぜ」 京太郎「しかし咲の奴一体どこに……」 咲「は、話終わった?京ちゃん」 京太郎「なっ!?なんでそんな所に」 京太郎「すぐ近くにいたんなら顔見せれば良かったのに」 咲「だ、だってお姉ちゃんと誰かが一緒にいたんだもん……」 京太郎(いつまで経っても来ないと思ったら潜んでただけだったのか……って) 京太郎「咲、俺たちが何話してたか聞こえてたのか?」 咲「え?まさかそこまではわかんないよ。結構距離あるし」 京太郎「そ、そうか……じゃあ戻るか!」 咲「うん!」 咲(あのお姉ちゃんじゃない方の人……気をつけておかないと) カン
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京太郎「洋榎さん、帰ってます?」 洋榎「んー、おるでー」 京太郎「そっちはどうでした?」 洋榎「快調快調!飛ばしたったで」 京太郎「やっぱりすごいっすね」 洋榎「せやろーさすがやろー」 京太郎「凄い凄い」ナデナデ 洋榎「えへへ~」ニヘラ 洋榎「って、なにしれっと頭撫でとんねん!」 京太郎「えー、気持ちよさそうだったじゃないっすかー」ブー 洋榎「まあ確かに気持ちよかったけど……ってちゃうわ!ちゃうちゃう!」 京太郎(何が違うんだろう……) 京太郎「今日はものまね合戦でもしましょうか」 洋榎「ものまね?」 京太郎「例えば俺だったら……コホン」 京太郎「闇の炎に抱かれて消えろォ!」 京太郎「……とか?」 洋榎「」キュン 京太郎「どうでした?」 洋榎「もう一回!もう一回!」 京太郎「闇の炎に抱かれて消えろォ!」 洋榎「」キュン 洋榎(何やろ……この声) 洋榎(……かっこええ) 洋榎(いつもの京太郎とちゃうからかごっつかっこよく見える……) 洋榎「きゅぅ……」バタン 京太郎「洋榎さん!?」 コンコン 霞「失礼するわよー、ってあら」 霞「京太郎くん、まだ行ってなかったの?」 京太郎「あ……」 霞「まあそうだろうとは思ったわよ、途中まで送っていくわね」 京太郎「すみません、お願いします」 霞「お願いされました」ポンポン 洋榎「……むへへぇ……」 京太郎「今度は444号室か……なんか不吉じゃないか?」 「あーおーい、つきーあかーり」 京太郎「誰かいるのか?」コンコン 「!」ビクッ もこ「…………」ガチャ 京太郎「あっ対木さん!」 もこ「…………」カァァ もこ「///」ササッ バタム 京太郎「えっちょっ!」 京太郎「対木さん!開けて!」ゴンゴン もこ「……」ガチャ もこ「……聞いてた?」 京太郎「聞いてた……さっきの歌?」 もこ「…………」 もこ「///」ササッ バタム! 京太郎「……はぁ」 もこと同室になりました 京太郎「というわけで今日からよろしく!」 もこ「…………」 京太郎「あのー、対木さん?」 もこ「…………」ブツブツ 京太郎「とりあえず何かして遊ぶ?」 もこ「……許可する」 京太郎「じゃあ何しよっか」 もこ「我ら模擬となり演劇に興じる」 京太郎「?」 京太郎「じゃあごっこ遊びにするか」 もこ「」コクッ 京太郎「よし、それじゃあ始めだ!」 もこ「うっ……」 京太郎「どうした?」 もこ「左腕が……疼く」 京太郎「痛いのか?」 もこ「再び聖法具を巻かなければ、左腕に封印されたオルトロスが……うっ!」 京太郎(何を言ってんのかさっぱりわかんねえ……) 京太郎「ならお医者さんごっこでもするか」 もこ「」コクッ 京太郎「はい、左腕出してー」 もこ「……」 京太郎「包帯巻いていきますねー」 もこ「……よろしゅう」 京太郎(腕綺麗だな……細いし、白いし) もこ「如何した?」 京太郎「いや、なんでもない」シュッシュッ 京太郎「はい、終わり」 もこ「有難う、疼きが収束した」 京太郎「対木さんって綺麗な腕してるんだな」 もこ「……そう?」 京太郎「ホントホント」 もこ「…………」 もこ「有難う」 もこ「初めて言われた」 京太郎「誰でも言いそうなことだけどな」 もこ「……同志など存在しないから」 京太郎「……ああ、なるほど」 【六日目】終了 【七日目】 京太郎「ふぁぁ……」 京太郎「アパートで慣れてるからか畳ってのが気持ちいいな」 京太郎「昨日までは洋榎さんと同じベッドで少し緊張したけど、対木さんならまだ気が楽だ」 京太郎「……とは言うものの」 もこ「すぅ……ん……」 京太郎「なんで布団がくっつけてあるんだ……」 もこ「お早う……」ネムネム 京太郎「おう、朝ごはんもうあるからな。ルームサービスだけど」 もこ「大地の慈悲なる恵みに感謝を」 京太郎「宗教染みてるな……」 もこ「これは宗教などという聖なる文化ではない、闇との契約を更新するための黒儀式」 京太郎「はいはい、さっさと食べろ。30分後に取りに来るってさ」 もこ「ひょひ(御意)」ハムハム 京太郎「対木さんはこの後何か用事とかある?」 もこ「……特筆すべきものは何も」 京太郎(特筆って言うのか?) 京太郎「そっか、じゃあ俺と遊ばねえか?」 もこ「遊戯?」 京太郎「まあ、そうだな」 もこ「何するの?」 京太郎「んー……じゃあ 65で」 もこ「ポーカー……」 京太郎「やったことあるか?」 もこ「私を誰だと思っている?」ニヤリ 京太郎「対木さん」 もこ「…………」 もこ「そういえばそうだった」 京太郎(対木さん、よくわかんねえ人だな) 京太郎(咏あたりだったらぱぱっと友だちになっちゃいそうだけど) 京太郎(とりあえずはツーペアか……) もこ「……」ジーッ 京太郎(フルハウスシャボ待ちだな)スッ もこ「……」スッ 京太郎(四枚捨て!?) 京太郎(余程手札が悪かったのか?) 京太郎(まあいい、これで勝負だ!)スッ 京太郎「うっ……」 京太郎(やっぱりそう簡単に来るわけねえよな……対木さんの方は……) もこ「」ニコニコ 京太郎(めっちゃ笑ってる!?) 京太郎(いや待て、四枚捨てでいい手になるなんてそうそうないはず) 京太郎(ここは押す!) 京太郎「勝負!」 もこ「ふっ」 もこ「括目せよ、これこそが私の能力≪チカラ≫」 京太郎「こっ、これは……!」 ロイヤルストレートフラッシュ もこ「王 門 ☆ 閃 光!」 京太郎「嘘……だろ」 もこ「えへへっ、私の勝ちっ!」 京太郎「素に戻ってるぞ」 もこ「えっ……わわっ!」 もこ「これが私の暗黒魔術だ、恐怖を身に焼くが良い。くっくっく」 京太郎(やっぱりよくわかんねえ) もこ「」グッ 京太郎(でもガッツポーズしてるあたり嬉しかったんだろうな) もこ「須賀……楽しかった」ニコッ 京太郎「……ん、そりゃ良かった」 京太郎(ここまでいい笑顔できるんだな、この子) 京太郎「よろしくお願いします!」 菫「よろしく」 塞「こちらこそよろしくお願いします」 胡桃「お願いします!」 胡桃「いやー、でもまさか大阪でシロと打ってた人がチャンピオンだったなんてね」 塞「トヨネも自慢げに話してたもんね。今日はよろしく、須賀君」 京太郎「ええ、こちらこそ」 菫(なんだこの蚊帳の外の感じは……) 菫(だが別に構わん) 菫(私はただ、射抜くだけだ) 東一局 親 胡桃 25000 菫 25000 京太郎 25000 塞 25000 塞(弘世さんはわざと待ちを寄せて狙い撃ちをする) 塞(須賀君は……よくわかんないけど) 塞(まずは胡桃から和了ろうっと!) 京太郎(テンパイまではこぎつけたけど……)スチャ 京太郎(カスりもしねえな……)トン 菫(ぐぬ……まだ一向聴か) 菫(ここはオリるか)トン 胡桃(サエがテンパってそうだけど……これなら通るかな?)トン 塞「ロン、2000」 塞「胡桃もまだまだだね~」 胡桃「う、うるさいそこ!たまたまなんだからね!」 塞「好きに言ってな~」 東二局 胡桃 23000 親 菫 25000 京太郎 25000 塞 27000 菫(…………) 菫(ここは須賀を狙っておきたい……だが今はトップに立つのが先決だろう) 菫(故に狙うのは……)キュッ 塞(!)ビクッ 塞(今の殺気は……?) 塞(まあいいや、これでテンパイ)トン 菫「……ロン」 菫「12000」 東二局一本場 胡桃 23000 親 菫 37000 京太郎 25000 無関係点数移動:14000 塞 15000 京太郎(少しモモを意識して影薄めにしてきたけど……) 京太郎(このまんまだとやばそうだからな) 京太郎(低かろうと和了りにいく!) 京太郎「ロン、1300は1600!」 塞「うぁっ……」 京太郎(とりあえずこれで連荘回避) 京太郎(次の親番で勝負だ!) 東三局 胡桃 23000 菫 37000 親 京太郎 26600 無関係点数移動:14000 塞 13400 京太郎(よし、良い手だ) 京太郎(まずはこのまま波に乗る!) 京太郎「カン!」 京太郎「嶺上……なわけないか」トン 塞(宮永さんの試合見てたからなんか心臓に悪い) 胡桃(ホントホント!) 塞(こいつ、直接脳内に……!) 京太郎「あっ、ツモ、4000オールです」 菫「なにっ!?」 京太郎「逆転っすね」 東三局一本場 胡桃 19000 菫 33000 親 京太郎 38600 無関係点数移動:14000 塞 9400 塞(うっわ、やばいやばい) 塞(もう一万点切っちゃったよ、まだ親番あるからいいけどさ) 塞(うぬぬ……どうしよう)チラッ 京太郎「……」 塞(やや真剣な面持ち……こりゃ振り込んだら大変かも) 塞(いいや、これで当たって砕けろ!)スッ 塞(って、いやいや砕けちゃダメでしょ)トン 京太郎「ロン、7700は8000」 塞「はっ、8000……って」 胡桃(確かに須賀君強いけど、サエが抉られすぎてる……!) 胡桃(どうしよう、何か言った方がいいのかな……) 東三局二本場 胡桃 19000 菫 33000 親 京太郎 46600 無関係点数移動:14000 塞 1400 菫(13600点差か) 菫(覆せないこともない点差……) 菫(ここは、射抜く!)キュッ 菫「…………」トン 菫(須賀、お前には負けない!) 京太郎(なんかさっきから凄い視線を感じる……) 京太郎(ここまで来ればある程度は大丈夫だろ)トン 菫「ロン、2000は2600」 京太郎「くっ……」 菫(どこまでも追いつめてやる!) オーラス 胡桃 19000 菫 35600 京太郎 44000 無関係点数移動:14000 親 塞 1400 塞(いいねいいね!萬子の清一色!) 塞(このまま押してこっと)スチャ 塞(……およ?) 塞(んー……でもここは確実に行きたいよね) 塞(ダマでいこっか) 胡桃(サエが張った?) 菫(見え見えの染め手か、とりあえず振り込まないように……)トン 塞(う……リーチかけておけばよかったかも……) 塞「ツモ!6000オーッル!」 オーラス一本場 胡桃 13000 菫 29600 京太郎 38000 親 塞 27400 京太郎(臼沢さんの逆転の一歩の派手な和了り、助かったぜ) 京太郎(これで……ようやく……) 京太郎(…………消えられる) スゥ [ステルスモード]に移行しました 塞(これで私は二位、次に和了れば一位確定で勝ち抜け) 京太郎「リーチ」 塞(なるべく振り込まないように、かつ早く和了るように……) 菫(このまま逃げ切れば勝ち抜け) 菫(流局まで逃げると臼沢に捲られる可能性が高い) 菫(ここは、攻めるしかないだろう) 胡桃(すっかり置いてけぼり……) 胡桃(いやいや!まだ負けたとは決まってないよ私!) 胡桃(確実じゃないけど、でっかいのを和了る!)トン 胡桃(…………) 胡桃(あれ?なんで卓に三人しかいないんだっけ) 胡桃(誰か、だれか忘れてるような……) 京太郎「ロン、12000は12300」 胡桃「ッ!」 菫「リーチだと!?」 塞「待って、いつリーチなんてかけたの」 京太郎「いつ、って一巡前ですけど?」 胡桃「えっ……?」 終局 京太郎 50300 菫 29600 塞 27400 胡桃 700 京太郎「お疲れ様でした!」 塞「どこに隠れてたの、おかしいでしょ」 胡桃「ズルしないそこ!」 京太郎「どんだけ卑怯に見えてんですか!」 塞「なーんてね、私は楽しかったから満足だよ」 胡桃「焼き鳥で敗退なんてなんか釈然としない……」 胡桃「今度は赤子の手をひねるように負かすから覚悟してて!」 京太郎「鹿倉さんの方が赤ちゃんみたいな気がしますけど……」 胡桃「うるさいそこ!」 塞「うん、立場逆転しちゃうね」 胡桃「うるさいそこ!」 菫「ん?なんで幼稚園児がここにいるんだ?」 胡桃「乗らないくていいから!」 菫「……いい思い出になった、ありがとう」 京太郎「お礼を言われるようなことは何もしてませんって」 菫「いや、お前だからこそだったんだ」 菫「照と打ってくれ、今度は観戦していたい」 京太郎「はい、勝ってみせますよ!」 菫「ふふっ、楽しみだな」 塞「ねねっ、須賀君須賀君!」 京太郎「何すか?」 塞「これ私と胡桃のメルアドだから、暇なときに送ってきて!」 塞「こっちも不幸のメールとか送るから!」 京太郎「嫌ですよ何ですかその嫌な交換条件」 塞「あははっ!冗談冗談!そんじゃねー」 胡桃「次会うときはトヨネよりおっきくなってるから!」 塞「寝言は寝て言いましょうねー」 胡桃「引っ張らないそこ!」 ワーギャー バタム 菫「それでは私も行くよ、じゃあな京太郎」 京太郎「はい、またどこかで!」 ガチャ バタム 京太郎「俺も次の対戦相手見に行かないとな」 京太郎「……京太郎?」 京太郎「えっと、次は……末原先輩に上重さん、安河内さん……は九州の人か」 京太郎「まっ、次も勝てるだろ」 京太郎「一旦宿舎に帰るか」 京太郎「他の人の部屋に行ってみるか」 京太郎「つっても知らない人のところに行っても気まずいだけだよな……」 京太郎「ここって確か中部選抜とかの人たちが泊まってんだよな」 京太郎「じゃあモモとか咲とかもいるのか?」 桃子「呼んだっすか?」スゥ 京太郎「モモ!?」ビクッ 桃子「うっ……何もそんなに驚かなくてもいいじゃないっすか……」 京太郎「いきなり後ろから囁かれたらこえーっての」 桃子「そんなもんなんすか?」 京太郎「特にお前はな、咲だったら……」 咲『あ、京ちゃ』コケッ 京太郎「とか言ってこけそうだし」 桃子「……それもそうっすね」 京太郎「そうだ、モモの部屋に遊びに行ってもいいか?」 桃子「私の部屋っすか?」 京太郎「ちょっと暇なんでな」 桃子「まあ別にいいっすよ、こっちっす」 桃子「ただいま帰って来たっすよー」 京太郎「お邪魔しまーす」 智美「ワハハー、モモ、その男子は誰だー?」 京太郎「モモが見えてる!?」 桃子「私の幼馴染っすよ、今日は一緒に遊ぶっす!」 智美「そうか、じゃあ私も遊んでもいいか?」 桃子「京太郎、いいっすよね?」 京太郎「いいっていうか、むしろお願いします」 智美「私は蒲原智美だ、よろしくなーワハハ」 京太郎「俺は須賀京太郎です、よろしくお願いします」 桃子「それじゃあ始めるっすけど、何するんすか?」 京太郎「そうだな……」 桃子「花札……?」 京太郎「モモは知らなかったっけか?」 桃子「聞いたことはあるっすけど……そもそもできるんすか?」 智美「花札なら持ってるぞー」 桃子「そもそもルールがわからないっす」 京太郎「説明は……めんどくさいからちょっと見ててくれ」 京太郎「猪鹿蝶で俺の勝ちですね」 智美「やられてしまったなー、ワハハ」 京太郎「とまあこんな感じなんだが」 桃子「少し麻雀に似てるっすね」 京太郎「麻雀ほどメジャーじゃないんだよな、これが」 京太郎「それじゃあ三人でやってみよう」 智美「ワハハー雨四光だー」 京太郎「早くないっすか?」 智美「これも運だからなー、モモはわかったか?」 桃子「ん……まだよくわかんないっす」 智美「まあゆっくり覚えていけばいいぞー」 京太郎「…………」 京太郎「ちょっと、いや凄く気になったんですけど、どうして蒲原さんはモモが見えるんですか?」 智美「なんでだろうなー、モモは良い匂いがするんだ」 京太郎「匂いって……」クンクン 桃子「なに嗅いでるっすか!」 京太郎「確かに良い匂いだ……そうか、それは盲点だったな」 智美「そうだろーすごいだろーワハハ」 京太郎「モモをちゃんと見える人なんて久しぶりですよ!」 智美「そ、そうなのか?」 京太郎「モモは結構寂しがり屋なんで、適度に見つけてやってくださいね!」 桃子「私はペットじゃないっすよ!」 京太郎「いやーなんか気が晴れましたよ」 智美「ワハハ、須賀は心配性なんだな」 京太郎「大事な幼馴染ですからね」 智美「なんだかお兄さんって感じがするけどなー」 京太郎「そうですかね?」 智美「そうとしか見えないぞ」 桃子(うぅ……二人だけの雰囲気になってるっす) 桃子(なんかもやもやするっす……) 夜 京太郎「夜も遅いし他の人だと迷惑だろうから対木さんと遊ぼう!」 もこ「クックック、宵の王と戯れようなどとは良い意気だな」 京太郎(心なしかテンション上がってるな……) もこ「今宵は何を以て過ごすのかや?」 京太郎(口調安定しないな……) ~MOCO Sキッチン~ もこ「今宵の馳走は何ぞや?」 京太郎「口調おかしいだろ、今日の夕飯はこれだ!」 【ビーフストロガノフ】ババーン もこ「かっこいい……」 京太郎「よし、じゃあぱぱっと作るぞ!」 京太郎「切って、煮込んで」 京太郎「よし、完成だ!」 もこ「美味しそう」 京太郎「だがこれだけじゃないぜ!」 京太郎「来たれよ我が従者!」つオリーブオイル もこ「……え?」 京太郎「これで真の完成だあああああ!」ドバドバドバドバ もこ「あ、あああぁぁ……」 京太郎「これがロシアの豪商ストロガノフ一族の味だ!」 もこ「…………」モグモグ 京太郎「どうだ?おいしいか?」 もこ「ストロガノフ……緑油……豪商……」モグモグ もこ「……かっこいい」モグモグ 京太郎「そっかそっか、もっと食べてくれよ!」 もこ「…………」 京太郎「んー、口に合わなかったか?」 もこ「……」コクッ 京太郎「やっぱり朝の番組の真似なんてするんじゃなかったな」 京太郎「後は俺が食うよ」 もこ「…………構わない」 京太郎「いいのか?」 もこ「食すに値しないこともない味、故に」 京太郎「そっか、ありがとな」ナデナデ もこ「……うん」 もこ(少し、安らぐ) 【七日目】終了 【八日目 準々決勝】 もこ「ん…………」 京太郎「いつも通り早起きだぜ!」 京太郎「って騒いじゃ起きちゃうよな」 京太郎「とりあえずルームサービスを頼もう」 もこ「……んぅ…………」 京太郎「対木さんも洋榎さんも幸せそうに寝てるよな」 京太郎「……無防備だよな」 京太郎「久々にやるか」 【須賀京太郎の!寝起きドッキリ大成功!part13】デデーン! 京太郎「おはようございまーす」ヒソヒソ 京太郎「今日は愛知県出身の対木もこさんに、ドッキリを仕掛けたいと思いまーす」ヒソヒソ 京太郎「それでは準備を始めまーす」ヒソヒソ 京太郎(まずは布団に潜って)ススッ 京太郎(後ろから抱きしめる)ギュッ もこ「っ……」 京太郎(モモとは違うけどいい匂いだな) 京太郎(って違うわ!今はドッキリに集中集中!) もこ「ん……ぅ……」 京太郎「もこ、聞こえてるか?」ボソボソ 京太郎「……好きだよ」ボソボソ もこ「……ん」 もこ「……そ……か」 京太郎(起きたか……?) もこ「魔城門が……遂に……」 京太郎(なんだこの寝言) 京太郎(まあ続行だよな) 京太郎(対木さんの髪綺麗だな……) 京太郎(少し緑っぽい金髪なんて俺とは大違いだ) 京太郎(それに柔らかいしいい匂いもするし)サスサス 京太郎(ってやべっ!) もこ「……ぅ……」 京太郎(起きたか……?) もこ「……須賀君?」 京太郎「お、おはよう」サスサス←布団の中でもこを後ろから抱きしめつつ髪を梳いている もこ「……」 京太郎(凄く凄い気がする、この状況は……嫌な予感しかしない!) 京太郎(話題は……逸らすしかない!) 京太郎「えっと、いつから起きてた?」 京太郎(逸らせてなかったぁぁぁああ!) もこ「……須賀君が頭髪に触れたその瞬間から」 京太郎「わかりやすい表現で助かる」 もこ「…………須賀君」 京太郎「……俺が悪かった」 もこ「違う、そうではなく……そう、か……」 京太郎「?」 もこ「そ……その」 京太郎「何だ?」 もこ「もっと、愛撫、して……」カァァ 京太郎(その言い方はおかしい) 京太郎(この体勢でその言い方はおかしい) 京太郎(耳まで赤くなってるのが見えるよ……) もこ「ねぇ、早く」 京太郎「わかったよ、やればいいんだろやれば」サスサス もこ「…………京太郎」ボソッ 京太郎「何か言ったか?」サスサス もこ「無用!」 京太郎(顔が見えないのが残念だな)サスサス もこ「…………」カァァ 京太郎(いよいよ準々決勝か、こっからが勝負だな) 恭子「三日ぶりやな」 京太郎「あ、もう来てたんですか」 恭子「漫ちゃんもおるで」 漫「がるるるる!」 京太郎(そういえば前に豆撒いたんだっけか) 美子「よろしゅうお願いします」 京太郎「はい、こちらこそお願いします」 漫(須賀京太郎……絶対に飛ばしたる!) 東一局 親 恭子 25000 美子 25000 漫 25000 京太郎 25000 同コンマのため、流局 美子(三人ともテンパイ……) 美子(ここはオリて殴り合ってもらうとすっかね) 恭子「テンパイ」 美子「ノーテン」 漫「テンパイ」 京太郎「……テンパイ」 京太郎(様子見は……終わった)ゴッ 【照魔鏡】発動! 京太郎(上重さんは圧倒的な爆発力) 京太郎(安河内さんと末原先輩は……よくわかんねえ) 京太郎(安河内さんは早和了りを目指してるのか?) 京太郎(とにかく、これでピースは揃った) 東一局一本場 親 恭子 26000 美子 22000 漫 26000 京太郎 26000 同コンマのため、流局 恭子「テンパイ」 美子「ノーテン」 漫「ノーテン」 京太郎「テンパイ」 漫(……アカン) 漫(高めをぶち当てようなんて考えん方が良かったか……) 漫(結局二向聴のまま進んどらんし) 漫(このままやったら何もできんまま終わる……) 東一局二本場 親 恭子 27500 美子 20500 漫 24500 京太郎 27500 同コンマのため、流局 恭子「テンパイ」 美子「ノーテン」 漫「ノーテン」 京太郎「テンパイ」 京太郎(なんでこんな作業で一万点も勝ってんだろ……) 東一局三本場 親 恭子 29000 美子 19000 漫 23000 京太郎 29000 漫(ツモで7700) 漫(積み棒含めば逆転もできるけど……末原先輩に親っ被りやん)スチャ 漫(……あ、ツモってもうた) 漫(せやけどここで須賀京太郎に和了られるのも嫌やし……) 漫(……もう和了ってまえ!) 漫「ツモ!2300・4200!」 東二局 恭子 24800 親 美子 16700 漫 31800 京太郎 26700 漫「カン!」 恭子「ひぃっ!」 漫「ツモ!1500・2900!」 漫(圧倒的!圧倒的やん私!) 漫(このまま勝つ!) 漫(勝てる……勝てるんや!) 京太郎「……っ」 京太郎(俺は、負けるわけにはいかない) 京太郎(まだ負けない) 京太郎(勝つんだ、必ず) 東三局 恭子 23300 美子 13800 親 漫 37700 京太郎 24200 美子(まずは速攻で流れ作って、次に賭けんと) 美子(やけん軽か手で……) 京太郎(……どうすればいいんだ) 京太郎(上重さんに届くまでの手が作れねえ) 京太郎(このままだと……負ける?) 京太郎(いや、まだ諦めねえ) 京太郎(今は前へ進むだけだ!)トン 美子「ロン、1300です」 京太郎「うっ……」 京太郎(……親番) 京太郎(勝たないとダメなんだ!) オーラス 恭子 23300 美子 15100 漫 37700 親 京太郎 22900 京太郎(俺は……勝つ!)ゴッ 美子「!」 恭子(……須賀?) 恭子(須賀にこないに迫力あったか?) 恭子(どうしたんや一体……) 京太郎(集まれ、集まれ!) 京太郎(この一手で勝つ!)スチャ 京太郎(…………) 京太郎「ツモ」 京太郎(どうやら俺は、最高にツイてるみたいだ) 京太郎「4000オール!」 漫「んなっ!」 京太郎「終わりです!」 終局 京太郎 34900 漫 33700 恭子 19300 美子 11100 京太郎「お疲れ様でした!」 美子「お疲れ様でした」 恭子「ありがとうございました」 漫「お疲れさんでした……はぁ」 漫「勝てると思うたんやけどなぁ……」 京太郎「はっはっは!俺を甘く見すぎたんですよ!」 京太郎「いやでもホントこの前はすんませんでした」 漫「ああ、別に気にしてへんよ。もうすっきりしたし」 京太郎「そうですか、すみません」 漫「ふふっ、なんでまた謝るんや」 京太郎「なんででしょうかね?あははっ」 美子「焼き鳥やった……」 恭子「私もですよ、ホンマ世知辛いですわ」 美子「世知辛いの使い方間違っちるような……」 美子(あいが部長の言うてたん人か……) 美子(私も勝てなかったな……) 恭子「あ、せや須賀君」 京太郎「何ですか?」 恭子「せっかくやし連絡先交換しとかへん?」 京太郎「はい、いいですよ」 漫「せやったら私も!」 美子「わ、私も……」 京太郎(何かすっげえモテてる気がする) 京太郎「順調に電話帳が埋まっていくな」 京太郎「さてと、次の対戦表を見に行くか」 京太郎「次の相手は……っと」 京太郎「咲んとこの竹井さんと阿知賀の新子さんと鷺森さんか」 京太郎「見事なまでに全員知り合いだな」 京太郎「もう帰ろっと」 京太郎「またどっか他の人の部屋で遊ぼうかな」 京太郎「ホテルの中ぶらついてたら誰かしらいるだろ」 京太郎「さーて、誰かいないかなーっと」キョロキョロ ゆみ「ん?須賀君じゃないか」 京太郎「あ、加治木さん!」 ゆみ「私たちの宿舎で何をしているんだ?」 京太郎「俺もここに泊まってるんですけど暇で暇で、だから他の人と遊ぼうかなーって」 ゆみ「ふむ、そうか……」 ゆみ「なら私たちの部屋はどうだ?」 京太郎「良いんでしたらいきますけど」 ゆみ「よし、ついてこい」 ゆみ「ただいま帰った」 久「もーゆみ遅いわよー」グデー ゆみ「来客なんだからしゃんとしろ」 久「来客?」 京太郎「あ……ども」 ゆみ「ここで遊んでも構わないだろう?」 久「んー別にいいけど……まさか明日の相手と会っちゃうとはね」 京太郎「明日はよろしくお願いします」 久「こちらこそ」 ゆみ「それで、何をして遊ぶんだ?」 京太郎「じゃあリアルおままごとでもしましょうか」 ゆみ「リアル?」 久「いいじゃないそれ!採用!」 ゆみ「なあ久、リアルおままごととは何なんだ?」 久「まあやってみればわかるわよ」 京太郎「結構楽しいですよ」 ゆみ「そうか……わかった、やってみよう」 京太郎「ゆみ、次はいつ会える?」 ゆみ「いつでもいいよ、明日でも来週でも、三時間後でも」 京太郎「いつも嬉しいことを言ってくれるなぁゆみは!」ワシャワシャ ゆみ「か、髪を撫でるな!」 京太郎「んーやっぱやり足りないからもう一回戦やるか?」 ゆみ(一回戦?) ゆみ「……ああ、いいぞ」 京太郎「じゃあまた頑張ってくれよ」 ゆみ「う……ん」 久「きょう……たろう……」 久「ゆみ……?」 久「二人とも、何してるの?」 京太郎「ひ、久!違う!これは違うんだ!」 ※設定上全裸 ゆみ「そっ、そうだ!京太郎は怪我をした私を運んできてくれただけなんだ!」 ※設定上全裸 久「…………」 久「……あー、そっか、そうだったんだ」 久「ごめんね、私てっきり勘違いしちゃってた、うん、そうだよね……」 久「ちょっと買い物行ってくるから、ゆみはゆっくりしてってね」 タッタッ ガチャ バタム 久「あ、あははっ」 久「そっか、そうだよね」 久「京太郎は私よりゆみの方が好きなんだ」 久「何結婚したからって喜んでたんだろ私、ふふっ」ポロポロ 久「あれ、なんでだろ、なんで、なんで」ポロポロ 久「なんでこんなにおかしいのに……泣いてんだろ私」ポロポロ 久「とまあこんなもんかしらね」ケロッ 京太郎(全部演技だったのかよ……) ゆみ(よくわからんやつだ……) 久(妻役の気持ち考えたら、なんか……)チラッ 京太郎「じゃあ次行きましょうか」 ゆみ「疲れるからもうやめてくれ」 久(ちょっと気になっちゃったかも?) 夜 京太郎「竹井さんの演技力おかしすぎるだろ……」 京太郎「ただいまー」 もこ「プログラムアドバンス!ドリームソード!」 京太郎「またやってるのか」 もこ「…………」 もこ「よく帰ったな、000」 京太郎「おう、ただいま、晩飯はもう食べたか?」 もこ「」フルフル 京太郎「じゃあ一緒に食べるか」 もこ「」コクッコクッ 京太郎(妹ができたらこんな感じなのかな) 京太郎「じゃあまたポーカーでもするか」 もこ「今宵も勝利は私の手にある」ドヤッ 京太郎「はいはい、んじゃ始めるぞ」 京太郎(そういえば一対一だったらインディアンポーカーとかもあるんだよな……) 京太郎(まあ俺あんま強くないしいっか) 京太郎(うわ、ワンペアかよ……) もこ「クックック」スッ 京太郎(また四枚捨てとか正気かよ、じゃあ俺も) 京太郎(勝負の三枚捨てだ!)スッ 京太郎「……ワンペア」 もこ「ストレートフラッシュ」 京太郎「いやいやおかしいだろ絶対!こんなの!」 もこ「卑怯だと?」 京太郎「一体何やったんだー?」ムニムニ もこ「ひゃへへー(やめてー)」 京太郎「ほっぺやわらかいな……」ムニムニ もこ「ひょうはほーひゃへへー(京太郎やめてー)」 京太郎「憂さ晴らしだ!えいっえいっ!」ムニムニ もこ「うぅ……」 京太郎「その、なんだ、すまなかった」 もこ「京太郎の……バカ」プイッ 京太郎(あ、なんか可愛い) 【八日目】終了 【九日目 準決勝】 京太郎「ふぁぁ……」 京太郎「結局十戦十敗ってどうなってんだよ、もう」 もこ「ぇへへ……」 京太郎「……」プニプニ もこ「すぅ……ぅ……」 京太郎(……何しよ)プニプニ 京太郎「適当に散歩でもしてくるか」 京太郎「書置きして……っと」 京太郎「よし行くか」ガシッ 京太郎「?」 もこ「きょ……行かない……で……すぅ」 京太郎「つってもすることがないから、ごめんな」ナデナデ もこ「すぅ……」 京太郎「東京みたいな古書街とかって大阪にはあんまないらしいんだよな」 京太郎「とりあえずぶらぶら見て回るか」 京太郎「良さそうなところがあったら入ってみよ」 【高天原古書店】 京太郎「入ってみたはいいけど、別に咲みたいに本に興味があるってわけじゃないしなー」 京太郎「どうしよ……!?」 衣「こまきー!こっちだぞー!」ピョンピョン 小蒔「天江ちゃん、待ってくださいー」ゼェハァ 淡「テルー、いい本あったー?」 照「はい」つ【ぐりとぐら】 淡「そこまで子どもじゃないよ!」 恭子(何や……何なんやこれぇ……)カタカタ 京太郎(なんでただの古書店にこんなに知り合いがいるんだよ……) 淡「あ!京太郎だー!」 照「えっ、どこどこ」 京太郎「うげっ」 小蒔「お久しぶりです、須賀さん!」 衣「久方ぶりだな、きょうたろー!」 京太郎「本屋なんですからもっと静かにしましょう」 小蒔「すみません……」ショボン 衣「すまない……」ショボン 淡「京太郎はここで何してるのー?」 京太郎「ちょっと散歩をな」 恭子(ホンマに何なんやこれ、魔物だらけやないか……) 衣「そうだ!きょうたろーも一緒に来ないか?」 淡「あ!そだね、この後みんなで打ちに行くんだけど、来る?」 京太郎「別にいいけど……あ!末原先輩もどうですか?」 恭子「!」ギクッ 恭子(なんでこっちに話振るんや!) 京太郎「みんなでやれば楽しいですよ!」ニコッ 恭子(アカン、悪魔の笑顔にしか見えへん) 照「六人……誰か二人抜けないと」 京太郎「じゃあ俺が抜けますよ」 衣「いいのか?」 京太郎「俺が邪魔するのもあれですし」 淡「だったら最後の一人はくじで決めよう!」 小蒔「割りばしで作ってみました!」 恭子(なんでこないに楽しそうなんやろ……) 淡「よし、せーのっ!で引くよ!」 五人「「「「「せーのっ!」」」」」 恭子(アカン……) 衣「衣の親からだな!リーチ!」 淡「リーチ!」 小蒔「…………リーチ」ゴゴゴゴゴ 恭子(ダブリー三連とかおかしすぎるやろ) 照「……京」 京太郎「なんだ?」 照「絶対に負けないでね」 京太郎「それはこっちの台詞だっての」ナデナデ 照「むぅ……」 京太郎「今まで俺がお前との約束を破ったか?」 照「…………」 京太郎「俺を信じろ、絶対にまたお前の前に立つ」 照「……わかった」 照「頑張ろう」 京太郎「よし、っともう終わったみたいだな」 小蒔「ロン、32000」 淡「三家和ありだよね!ロン!32000!」 衣「ロン!48000!」 恭子「」 久「やっほー、昨日ぶりね」 京太郎「今日は負けませんよ」 久「そうね、楽しみにしてるわ」 久「あ!新子さん!」 憧「うわっ、清澄……」 灼「久しぶり」 京太郎「お久しぶりです、今日はよろしくお願いします」 灼「うん、よろしく」 憧「清澄にチャンピオンって色んな意味で最悪……」 久「まーまーそう言わずにー」 京太郎「もっと仲良くしようぜー」 憧「ちょっあんま近寄んないでよ!」ボコッ 京太郎「ぶへっ」 東一局 親 京太郎 25000 憧 25000 灼 25000 久 25000 憧「ポン」 灼(憧、相変わらずはや……) 久(二萬に二筒……三色か) 久(だとしたらこの二索危ないかも……) 久(いえ、これは通る!)トン 憧「ロン!12000!」 久「あ……はい」 東一局 親 京太郎 25000 憧 37000 灼 25000 久 13000 京太郎(親流されて跳満リードとかきついって!) 京太郎(まずは新子さんの親を流す!) 京太郎「チー!」 久(やっばい、どうしよう) 久(須賀君はまだ安そうだけど……) 久(やっぱここは和了りにいく!)トン 京太郎「ロン!1300!」 東三局 京太郎 26300 憧 37000 親 灼 25000 久 11700 憧「ロン、2000」 京太郎「はい」チャラッ 憧「どうも」ピトッ←指先が触れ合う 京太郎「あ」 憧「……~~っ!」カァァ 憧「は、はやく!次!」 久「初々しいわね~」ニヤニヤ 憧「う、うるさい!」 東四局 京太郎 24300 憧 39000 灼 25000 親 久 11700 同コンマのため、流局 久「テンパイ」 京太郎「テンパイ」 憧「テンパイ」 灼「ノーテン」 京太郎(半荘で良かった……) 京太郎(今はどうやって逆転するかを考えないとな)チラッ 憧「」ビクッ 憧「……///」 京太郎「?」 東四局一本場 京太郎 25300 憧 40000 灼 22000 親 久 12700 灼(…………) 灼(憧と18000点差、ここからならまだ勝てる) 灼(直撃で点差を縮めない、と) 京太郎(テンパイできねぇ……) 京太郎(不要牌ばっかじゃねえかよ、早く新子さんに追いつかねえといけねえのに!) 久(今日はツイてないわねー) 久(……まだ四局以上あるんだから巻き返せるわよね) 久(次は和了らないとね!) 憧(面前一通、これなら和了れる!) 憧(まだ一向聴なんだけどね……)トン 灼「ロン、6700」 灼(まず一歩) 南一局 親 京太郎 25300 憧 33300 灼 28700 久 12700 京太郎(親番なんだし、攻めていかねえと!) 憧「リーチ」 京太郎(この状況でリーチかよ!) 京太郎(どうする、何切ればいいんだよ!) 京太郎(テンパイはとっておきたい、でも嫌な予感が……) 京太郎(くそっ、行っちまえ!)トン 憧「ロン」 京太郎「うっ」 憧「24000」 京太郎「な……っ!」 南二局 京太郎 1300 親 憧 57300 灼 28700 久 12700 京太郎(何……やってんだ俺) 京太郎(こんなところで終わってたまるかよ……) 京太郎(こんな点差つけられて、全然和了れなくて) 京太郎(負けねえよ、負けたくねえよ) 京太郎(勝つんだよ!) 京太郎(……どうするこの状況) 京太郎(リーチでツモれば倍満、もう少し待てば三倍満だって見えてくる、あわよくば数えだって……) 京太郎(素直にツモるか、悪あがきをするか) 京太郎(どうすればいい……) 京太郎(照や咲だったら、どうするんだ) 京太郎(……ツモったか) 京太郎(平和清一色の三門張……) 手牌:一二三三四五六七七八八八九 ツモ:八萬 京太郎(ここは一盃口か一通を待つ、だから!) 京太郎(遠回りでも可能性を残して、勝ちに行く!)トン 八萬 憧(張ってそうな感じね……でも染め手っぽいし……) 灼(振り込まないように……) 久(ここもオリようかしら……) 京太郎(よし、来た!) 京太郎(あれこれさっき三萬捨てといたほうが良かったんじゃ……) 手牌:一二三三四五六七七八八八九 ツモ:九 京太郎(まあいい、三面張を捨てて三・六萬待ち) 京太郎(これって平和も入るんだっけか?) 京太郎(まあいい、これでリーチ清一色一通一盃口) 京太郎(ツモか一発で三倍満、裏も乗れば数えだって行ける!) 京太郎「リーチ!」トン 八萬 憧(何、この気迫!) 灼(……危な) 久(へぇ、諦めないんだ) 京太郎(これで決まればいいんだけどな……っ!) 京太郎(来てくれ!)スチャ 京太郎(よし!) 京太郎「……ツモ!」 京太郎「リーチ一発清一色一盃口一通、裏裏!」 京太郎「8000・16000!」 南三局 京太郎 33300 憧 41300 親 灼 20700 久 4700 京太郎(よし!三色混じりの満貫手!) 京太郎(これで追いついてやる!) 京太郎「リーチ!」 灼(またリーチ……) 久(流れ持ってかれちゃったかな……) 憧(須賀……なんで諦めないんだろ) 憧(ここまで私が勝ってるのに……) 灼(まだ私も、諦めない) 灼「リーチ」 京太郎「ロン!8000!」 京太郎「これで同点だ!」 オーラス 京太郎 41300 憧 41300 灼 12700 親 久 4700 久(ラス親でテンパイ、か) 久(悪い待ち……はしなくていいかしらね) 久(和了れなさそうだし……) 京太郎(これで……この手で……!) 久(私が和了っても困るだろうし、ね) 京太郎「リーチ!」 憧(負けそうなのに、追いつかれてるのに) 憧(悔しいのに……) 憧(もう、あそこまで必死だったら応援するしかないじゃない) 憧(須賀、か……) 灼(和了られてばかり……) 灼(須賀君、会場で会った時とは全然違う) 灼(少し……昔のハルちゃんみたいだった) 京太郎(これで止めだ!) 京太郎「ツモ!3000・6000!」 終局 京太郎 53300 憧 38300 灼 9700 久 -1300 京太郎「おっ、お疲れ様でしたぁ!」 灼「お疲れ」 久「お疲れ、あー飛ばされちゃったかー」 京太郎「なんか、すんません」 久「いいわよ、決勝頑張ってね」 京太郎「はい!」 灼「憧、行こ」 憧「ちょ、ちょっと待って!」 灼「?」 憧「す、須賀!」 京太郎「なんだ?」 憧「え、えっと、その……お、お疲れ!」カァァ 京太郎「おう、また今度打とうな」 憧「あ、あと!」カキカキ 憧「これ、これ!」 京太郎「……メアド?」 憧「わ、私ってほら、男が苦手でさ、だからたまに話し相手になったりしてくれると、その、助かるなって」 灼「じゃあ私も」 久「じゃあ私もー」 京太郎「竹井さんはむしろ扱いが上手そうですけどね」 久「えーひどくない?」 京太郎「身の回りの男をこき使ってそうなイメージです」 久「なんか失礼ね」プクー 灼「それじゃ、また」 京太郎「はい、お元気で!」 京太郎「……また、あいつらと打てるのか」 京太郎「勝って、あいつらの隣に立つんだ」ギュッ 夕 京太郎「ただいまー」 もこ「京太郎!京太郎!」 京太郎「どうした?」 もこ「黒と朱と赤の卓、不屈の京太郎!」 京太郎「?さっきの試合?」 もこ「すごかったぁ!」ニコッ 京太郎「そっか、ありがとな」ナデナデ もこ「京太郎、夕刻は如何にして過ごす?」 京太郎「んー、疲れたし部屋出たくないし……遊ぶか」 もこ「御意!」 京太郎「それ敬語じゃなかったか?」 京太郎「じゃあ今日はインディアンポーカーでもするか」 もこ「胤禰闇峰袈厭?」 京太郎「そそ、インディアンポーカー」 京太郎「まずお互い一枚ずつカードを取っておでこにつける」 京太郎「それで勝負するかしないかを選ぶ、簡単に言うとこんな感じだな、わかったか?」 もこ「」コクッ 京太郎「よし、じゃあ一ゲーム目だ」 京太郎「……」ジーッ←正座 もこ「……」ジーッ←正座 京太郎(対木さんは7か……微妙だな) 京太郎(確率的には負けやすい……ここはオリか?)ジーッ もこ「……」ジーッ 京太郎(あ、目が合った) もこ「……」メソラシ もこ「……」チラッ 京太郎「またこっち見た」 もこ「…………」カァァ もこ「み、見ないで」テレテレ 京太郎「勝負なんだからしょうがないだろ」 もこ「ぅぅ……」カァァ 京太郎(何だこの小動物的な可愛さ……) もこ「……厠」 京太郎「江戸時代!?」 もこ「……ん」スクッ ビリッ もこ「あっ」コケッ 京太郎「危ねっ!」ガシッ ポスン 京太郎「い、つっつ、正座なんかするんじゃなかったな……!?」 もこ「痛い……」 京太郎(あれ、何これ、俺押し倒されてんの?) 京太郎(目の前に対木さんの顔あるし……って顔小っちゃくねえか?) 京太郎(またいい匂いがするし……) 京太郎「つっ対木さん?とりあえず離れてくんないかな?」 もこ「あ……ぅ」 京太郎「対木さん?」 もこ「…………もこ」 京太郎「え?」 もこ「初名で呼称しなければ退かない」 京太郎「初名?……ファーストネームのことか?」 もこ「」コクッ 京太郎「じゃあ、もこ、退いてくれないか?」 もこ「……もう一度」 京太郎「もこ?」 もこ「……」カァァ もこ「……もう一度」 京太郎「いい加減にしなさい」ペシッ もこ「あぅ……」 【一時間後】 京太郎「もこ、そろそろ離してくれないか?」 もこ「……あと十度」ギュゥ 京太郎「はぁ……」 夜 京太郎「もこ、離さないと遊ばないぞ」 もこ「それは嫌」 京太郎「じゃあ離れろ」 もこ「……御意」 もこ「次は反転し合う白黒≪モノクロ≫の盤上」 京太郎「オセロな、今から借りてくるから、シャワーとか浴びとけ」 もこ「うん」 京太郎「持ってきたぞ」 もこ「ありがとう」ホクホク 京太郎「もこはどっちの色がいい?」 もこ「灰」 京太郎「黒か白だ」 もこ「黒」 京太郎「じゃあ俺が白だな」 京太郎「角三つ取ったのに負けたかー」 もこ「ふぁ……ん」 京太郎「眠いのか?」 もこ「」コクッ 京太郎「ならさっさと片付けないとな、手伝ってくれるか?」 もこ「」コクッ 京太郎「よし、もうちょい頑張れ」 もこ「……」ペラッ ペラッ 京太郎「そういや、今夜でここで寝るのも最後なんだよな」 もこ「……」ポロッ 京太郎「落としたぞ?」 もこ「……京太郎」 京太郎「ん?」 もこ「帰郷しても、友だち、だよね?」 京太郎「おう、もちろんじゃねえか」 もこ「!」パァァ もこ「ありがとう!」ニコッ 京太郎「当然だろ、普通だよ」ナデナデ もこ「えへへ……」 【九日目】終了